金谷拓実、中島啓太の背中を追う杉浦悠太が初メジャーへ 「失うものはない、自分の力を試したい」
<全米オープン最終予選(日本会場) 19日◇一日競技◇タラオカントリークラブ・西コース(滋賀県)◇7336ヤード・パー72>
ルーキーイヤーで「日本プロゴルフ選手権」を制したプロ2年目の杉浦悠太が、初の海外メジャーとなる「全米オープン」出場を決めた。
41人が出場し、本戦切符3枠をかけて1日36ホールをプレーする長丁場の戦い。杉浦はボーダーライン上の9アンダーで36ホール目の18番パー4を迎えた。だが2打目をグリーン奥に外し、ピンまでは15ヤードほどで、「深いラフにスポッと沈んでいました」というピンチの状況だった。
「なんとか寄せてパーで。みんなスコア次第で祈るしかないかなって感じで思っていました」。グリーン面は下っていて誰が見てもやさしい状況ではない3打目は、「めちゃくちゃ強かったと思います。無回転の変なボールでした」というが、グリーンの反対側まで転げ落ちそうな勢いの球は、ピンど真ん中に当たってガシャンと音を立ててカップに消えた。「ビックリしすぎていました」。よろこびのリアクションすら取れない。この1打が決め手となってスコット・ビンセント(ジンバブエ)と並ぶトータル10アンダーのトップタイで通過を決めた。
杉浦は国内の25歳以下で最も注目する選手といってもいい。2023年には「ダンロップフェニックス」で史上7人目のアマチュア優勝を遂げると、ルーキーイヤーの昨年はプロ初優勝を挙げて、賞金ランキングは11位。今季は開幕前から賞金王を目標に掲げているが、もう1つの目標が「海外メジャーに出る」ことだった。
本戦出場を決めると「まずは1つ出たいなと思っていたので、すごくうれしいです」とほほを緩める。昨年は日本で開催された米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」で6位に入った。今季は「ソニーオープンinハワイ」(結果は予選落ち)も経験したが、いよいよメジャーの舞台に立つ。「失うものはないので、自分の力試しというか、なるべく上位にいけるように頑張りたい」と意気込んだ。
アマチュア時代は2019年からナショナルチームの一員として活躍した。メンバーに選ばれた時から、3学年上の金谷拓実、1学年上の中島啓太という先輩たちの背中を追ってきた。大学4年時には、2人が遂げたプロトーナメントでのアマチュア優勝を目標に掲げて、有言実行の勝利。プロ1年目は2人と同じように賞金王争いに加わることを目標とし、日本タイトルを獲得するなど存在感を示した。
今季の金谷は米ツアー、中島は欧州ツアーと世界を舞台に戦っている。「先輩たちが常に先にいるので追いかける立場ですけど、最終的にPGAツアーまでいけば同じステージになると思うので、そこを目指したい」。米国行きに向けて初メジャーを足がかりにしたい。(文・小高拓)
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