駒澤大学で「大正モダン 復興の図書館」 有形文化財登録を記念した企画展
大学のキャンパス内というのは、機会がないとなかなか入らないので知らないことも多い。東京の駒澤大学には、国の登録有形文化財(建造物)に登録された禅文化歴史博物館がある。この博物館で5月12日(月)~7月31日(木)まで、企画展「大正モダン 復興の図書館」が開催される。7月1日(火)には関連セミナーも予定されている。
建物が国の登録有形文化財に登録決定したことを記念しての開催。駒澤大学旧図書館は、1923年の関東大震災で一部が倒壊した初代図書館にかわって建築された2代目図書館で、1928年から使用が開始された。1973年に3代目図書館ができてからは、売店や食堂、事務室などが入る建物に、1999年には東京都選定歴史的建造物となり、2002年からは禅文化歴史博物館として開館、一般にも公開されている。
旧帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトの影響を受けた建築物をライト風建築と呼ぶが、同大旧図書館の設計はその第一人者であり、銀座ライオンビルなどを手掛けた菅原栄蔵氏によるもの。和洋折衷の魅力的な建物で、壁面に四周する幾何学模様の装飾は、旧帝国ホテルに似た銀座ライオンビル1Fビアホールと共通した意匠だそうだ。天井のステンドグラスは、装飾物としての美しさだけではなく採光の役割も果たし、当時は図書館閲覧室を照らしていたという。
企画展では、ライト風建築とは何か、関東大震災の復興建築とは何か、建築家・菅原栄蔵と駒澤大学を結んだ縁とは何かといった、これまでと異なる視点で駒澤大学旧図書館(禅文化歴史博物館・耕雲館)を切り取り、建築史の観点から紹介する。
時間は10時~16時30分(最終入館16時15分)。休館日は土曜日(第3土曜日は除く)、日曜日、祝日、大学の定める休業日。入館無料(予約不要)。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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