グラノーラ朝食を約1カ月摂取した結果を発表 カルビー・順天堂大が共同研究

食品大手カルビー(東京都千代田区)は4月25日、東京都内で記者会見し、血液透析患者の朝食をカルビーの穀物加工食品(フルーツ入りグラノーラ)にした臨床試験の結果を発表した。患者の血圧低下や推定塩分摂取量の減少などが確認できたという。
この臨床試験はカルビーと順天堂大(東京都文京区)の共同研究。2023年1月16日~3月16日、血液透析患者26人を対象に実施し、うち24人分の血圧などのデータと試験後約1カ月の観察データを解析して結果をまとめた。
記者会見に同席した順天堂大医学部非常勤講師の上田誠二さんは「日本の慢性腎臓病患者は推定2千万人。発症・進行には高血圧症などが関連しており、血圧が高くなると罹患リスクが高まる。予防・進行抑制には血圧を下げるため食塩摂取量を減らす必要がある」と減塩の重要性を指摘。
その上で「フルーツ入りグラノーラは200ミリリットルの牛乳をかけたときの食塩相当量が0.5グラムであり、通常の朝食をこれに変えれば減塩が期待できると考え臨床試験を実施した。試験開始1、2カ月後とも患者の血圧水準は低下し、推定塩分摂取量も減少した。今回の試験はRCT(ランダム化比較試験)ではなくエビデンスレベルは低いが、通常の朝食に戻った約1カ月後、患者の血圧は上がっており、グラノーラ摂取と血圧低下に因果関係はあると考えている」と述べた。
また「1食当たり4.5グラムの食物繊維を含むグラノーラの摂取で腸内環境、便通の改善を示すデータも得られた」とした。
記者会見したカルビーの江口聡マーケティング本部兼シリアル部長は「当社は健康寿命への貢献を目指して、2018年に100年朝食プロジェクトを立ち上げた。順天堂大の皆さんとの共同研究はこのプロジェクトの一環であり、グラノーラの朝食に関しては、今回の臨床試験結果も含めてこれまでにさまざまな研究成果が得られている」と話した。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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