アマ時代から5年間使用 尾関彩美悠が“元サヤ”クリーブランドパターで復調へ「初心に戻って」
<パナソニックオープンレディース 事前情報◇1日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6751ヤード・パー72>
「パッティングの調子が…。いいイメージが出ないんです」
そんな尾関彩美悠の悩みを、1本の“元サヤパター”が変えるかもしれない。今週の大会に、グリップやネック部分に使い込まれた跡が残るパターを携えてきた。
バッグに入れられていたのは、クリーブランドの『ハンティントンビーチ ソフト プレミア#8』。状態はいいものの、一見して新品ではないことが分かる。そのワケを、尾関が明かす。
「アマチュアの時、5年くらいずっとクリーブランドのパターを使っていたんです。プロ1年目までギリギリ使ってました。その当時に使っていたものを“奥底から”引っ張り出してきて。懐かしいですね。改めて、いいパターだなと思います」
尾関がプロテストに合格したのは2021年のこと。ルーキーイヤーは22年で、この年まで使用していたことを考えると、実に3年振りの“再登板”ということになる。そこからは、いろいろと新たなパターを試してきたが、やはり愛着の深い“大エース”はすぐに手になじんだ。「これを使っていた時は、パターの調子が良かった。少し離れていたけど、初心に戻って。いいイメージを取り戻したい」。復調のカギを握っている。
今季の平均パット数はパーオンホールが『1.8258』で30位、1ラウンド当たりが『29.5333』で32位。ちなみにルーキーイヤーの22年は1ラウンド当たりこそ『29.4933』とほとんど変わらないが、パーオンホールは『1.7807』で10位と、はっきり違いが見てとれる。ここの改善を見据えたパターチェンジだ。
今季は開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」が57位。続く「Vポイント×SMBCレディス」から「ヤマハレディースオープン葛城」の3試合で予選落ち、棄権、予選落ちと苦しい春を過ごしてきた。しかし、直近2試合は16位、29位と復調気配をただよわせている。そのひとつの要因が、試行錯誤を重ねてきたアイアンだ。昨年に使用していたスリクソン『ZX5』に戻したことで、クラブが「落ち着いてきている」という。あとは「自分で調子を上げるだけ」という段階に差し掛かっている。
そんな中、さらに上昇気流に乗るための要素がグリーン上。「パターはいいので、あとは自分の腕。練習します。ストロークとタッチが合えば」。迷いなくカップを狙えるよう、自信を取り戻すことが大事になる。「調子を少しずつ上げたい。今季は16位が最高だから、少しずつ更新できれば」。その“ラストピース”を、ツアーでは珍しいクリーブランドのパターが担うかもしれない。(文・間宮輝憲)
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