ポイ活プランで進む経済圏の囲い込み!楽天がリードも勝負を決めるのは金融サービス!?【MMD研究所調べ】
キャッシュレス決済の普及とともに、ポイ活を軸とした経済圏が日本の消費・金融サービスの中で生まれている。MMD研究所の「2025年度春-通信サービス動向調査」によると、通信・金融・小売など複数の業界が連携し、ユーザーの囲い込みとサービス利用促進を目指す動きが加速しているという。果たして、ポイ活による経済圏の勝者はどこなのだろうか。
通信業界ではポイ活プランによる囲い込みが顕著

まず通信会社の勢力図を確認しよう。2025年2月時点で、楽天モバイルは850万回線を突破し、特に若年層を中心に利用傾向が拡大している。楽天は経済圏全体を活用したプロモーションを強化し、1,000万回線の大台達成に向けて着実に歩みを進めている。一方、ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアも、ユーザーの契約継続を重視した「ポイ活系プラン」を積極的に導入。これらのプランは、長期利用を促すだけでなく、ARPU(1ユーザーあたりの平均収益)向上も狙いとしている。
現状、3キャリアの料金プラン利用者のうち約10~15%がポイ活系プランへ移行済みであり、これらのユーザーはクレジットカード、QR・バーコード決済、電子マネー、ECなど他サービスとのクロスユース率が高い。ポイ活プランの浸透は、経済圏内でのユーザー囲い込みを強化し、リテンション向上に大きく寄与している。特に、ポイントを「貯める・使う・投資する」という一貫した流れを提供できる経済圏が、ユーザーの支持を集めていると言えるだろう。
経済圏競争の勝者は楽天?今後は金融分野でのサービス拡充がカギに

銀行・証券分野のデータを見てみよう。ゆうちょ銀行、楽天銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行が上位を占め、証券では楽天証券とSBI証券が圧倒的シェアを持つ。PayPay証券も成長が期待されているが、現時点では1.9%のシェアにとどまっている。ここでも楽天経済圏が大きな勢力となっている。

総合的に見ると、経済圏の主役として最も高い認知と利用率を誇るのは楽天経済圏と言えそうだ。「最も意識している経済圏」として43.6%が楽天を挙げており、楽天カード、楽天市場、楽天銀行、楽天証券など主要サービスの連携により、ユーザーはポイントを生活全般で活用できる「楽天エコシステム」が構築されている。これが楽天経済圏の圧倒的な強みだ。一方で、モバイル通信とQR・バーコード決済分野の強化が今後の課題だろう。

ドコモ経済圏では、モバイル通信の利用率が93.0%と非常に高く、ドコモ光、dカード、dポイントなど他サービスのクロスユースも進んでいる。PayPay経済圏はQR・バーコード決済の利用率が突出して高く、PayPay自体が経済圏の中核となっている。イオン経済圏ではWAONの利用が強力であり、Vポイント経済圏は証券口座の利用が目立つなど、経済圏ごとに強みが異なる。
経済圏間の競争は激化しており、今後は金融サービスの拡充や新たな投資体験の提供が経済圏の勝者を決める重要な要素となりそうだ。
出典:【MMD研究所】
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記事提供元:スマホライフPLUS
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