フランシス・フォード・コッポラ 構想40年 私財186億円を投じた巨大叙事詩 「メガロポリス」公開決定
フランシス・フォード・コッポラ監督が、1980年代より温めてきた夢の企画を、1億2000万ドル(約186億円)もの私財を投入して作り上げた映画「メガロポリス」が、2025年6月20日より劇場公開されることが決まった。
「メガロポリス」の舞台は21世紀。アメリカをローマ帝国に見立てたニューローマでは、享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の激しい格差が、社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を進める天才建築家のカエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)と、財政難の中で利権に固執する市長のフランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)は、真正面から対立する。また一族の策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に直面する。
コッポラ監督は、幼少期に見たH.G.ウェルズ原作の映画「来るべき世界」から着想を得て、1980年代より脚本を構想。2001年にはニューヨークで台本読み合わせを実施したが、同時多発テロによって企画は中断した。2007年には支援も途絶え、一度は断念の危機に立たされたが、約300回にも及ぶ脚本の書き直しをへて、自身のワイナリーの一部を手放して作った私財1億2000万ドル(約186億円)を投じ、映画製作を再始動させた。
古代ローマの叙事詩を現代のアメリカと重ね合わせたことについて、コッポラ監督は「アメリカが共和制ローマの再来であることは明らかだ。ニューヨークに行けば、ローマ時代の建物で埋め尽くされていることに気づかされるだろう。私の意図は、古代ローマを模倣した現代のニューヨークを舞台にしたローマ叙事詩を書くことだった」と語っている。
天才建築家の主人公・カエサル・カティリナを演じるのはアダム・ドライバー。カエサルと対立する新市長フランクリン・キケロ役をジャンカルロ・エスポジートが務めている。キケロの娘・ジュリアをナタリー・エマニュエルが演じるほか、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンらが脇を固めている。

【作品情報】
メガロポリス
2025年6月20日(金)IMAX®他全国劇場にて公開
配給:ハーク、松竹
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記事提供元:映画スクエア
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