永久追放されたYouTuberたち――BAN後に復活できたYouTuberとの違いとは?
元迷惑系YouTuberの「へずまりゅう」が5年ぶりに開設したYouTubeチャンネルが4月1日に“一発BAN”されました。へずまりゅうは、2020年にYouTubeから“永久追放”されたとみられていましたが、5年経っても扱いが変わっていなかったことが今回の処分で明らかとなりました。
へずまりゅう、5年ぶりのYouTube復活も“一発BAN”
このBANに対し、へずまりゅうはXで「運営は薄情だし人間の心などありません」と恨み節を綴りましたが、そもそもYouTubeのガイドラインでは、
YouTube チャンネルが停止された場合、別の YouTube チャンネルを使用または作成して停止状態を回避する行為や、YouTube チャンネルが停止された他のクリエイターに自分の YouTube チャンネルを利用させて停止を回避させる行為は禁止されています。(YouTubeヘルプ)
と記載されており、BANされたクリエイターが、別チャンネルを立ち上げること自体が禁止されています。
ただし、必ずこの規定が適用されるわけでもないらしく、BANされた後も活動を続けているクリエイターも何組も存在します。今回、活動を続けられるYouTuberと、永久追放されるYouTuberの違いを考察します。
BANされた後も活動を続けているYouTuber
「ラファエル」(登録者数171万人)は2019年1月、登録者が216万人いたメインチャンネルをBANされました。「Repezen Foxx」(同392万人)は、レペゼン地球時代の2018年7月、登録者106万人のメインチャンネルがBAN。「チャンネルがーどまん」(同300万人)も活動初期の2018年10月、当時7万人のメインチャンネルをBANされています。
これら3組は過激なコンテンツで知られており、いずれもBAN後にサブチャンネルをメインに転用して現在も活動を継続しています。
規定上はアウトのように思えますが、ユーチュラ編集部で確認した限りでは、そもそもBAN回避禁止の規定が「YouTubeヘルプ」上に明記されたのが2020年以降だったことから、当時は問題なかった可能性があります。
ではそれ以降ではどうでしょうか。
VTuberましろ
2022年6月、にじさんじ所属のVTuber「ましろ」(同51万人)が「コミュニティガイドライン違反」でチャンネルをBANされました。
詳細は不明で、当初は“誤BAN”との見解も多かったこのBANですが、結局チャンネルが復活することはなく、翌月に新チャンネルの立ち上げを発表。現在に至ります。

さいとうなおき
2023年3月には、ポケモンシリーズなどを手掛ける人気イラストレーターの「さいとうなおき」(同67万人)が、登録者130万人のチャンネルをBANされました。
イラストの描き方など、ガイドライン違反に相当するとは思えない動画を投稿していたさいとうですが、BANされた際に「児童虐待」にあたるコンテンツが検出されたという通知が届いたと明かしています。
さいとう本人は身に覚えはないとしつつ、視聴者が応募作品を投稿できる仕組みになっていたGoogleドライブ上に、児童虐待に相当するイラストが投稿されていた可能性があるとの見解を述べています。
さいとうはBAN後に新チャンネルを立ち上げ、それから2年活動を継続しています。

kimonoちゃん
最近だと、昨年7月、登録者63万人のメインチャンネルをBANされた「kimonoちゃん」(同15万人)の例があります。kimonoちゃんは、生配信で視聴者からの相談に乗るというスタイルの配信者で、BAN後にサブチャンネルをメインに転用して現在も活動を継続しています。
YouTubeでは、一定期間内に3回ガイドライン違反をしたチャンネルをBANする仕組み、いわゆる“3ストライク制”が取られています。上に挙げたチャンネルのうち、少なくともさいとうなおきとkimonoちゃんに関しては、重大な違反を犯したチャンネルに下される“一発BAN”だったとされています。
またkimonoちゃんについては、メインチャンネルのBAN後も、昨年11月、今年2月の2度にわたって、自身の別チャンネルが一発BANされています。

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永久追放されたYouTuber
続いて、BAN後に活動再開ができていない、“永久追放”とみられるYouTuberです。
ジュキヤ
記憶に新しいのは、昨年5月にBANされた「ジュキヤ」です。10~20代の女性を中心とした街頭インタビュー動画をメインに投稿していたジュキヤは、セクハラや容姿イジリなどで炎上することがありましたが、このときまではガイドライン違反の処分を受けてはいなかった様子。
登録者252万人のメインチャンネルを一発BANされたジュキヤは、その数日後にはサブチャンネルもBANされ、全てのYouTubeチャンネルを失いました。
同年9月、新チャンネルの立ち上げを報告したものの、その翌日にこれも一発BANされています。
同年12月、ジュキヤはスタッフ名義のチャンネルの開設を報告しました。スタッフ名義だったためか、このチャンネルはBANされず、ジュキヤは徐々に自身の出演を増やしていきます。そしてほぼジュキヤのチャンネルのようになっていた今年3月、このチャンネルもBANされました。
投稿されていたのは主にトーク動画で、ガイドライン違反に当たる内容ではありませんでした。そのため、実質的にジュキヤのチャンネルになっていたことが問題だったと考えられます。

東谷義和
2022年、芸能界に関する暴露を次々とおこない、時の人となったガーシーこと「東谷義和」も永久追放組です。ガーシーは2022年7月、127万人いたメインチャンネルがサブチャンネルと共にBANされました。これを受けガーシーは、YouTubeのアカウントを貸してくれるユーザーを募集。借りたチャンネルでゲリラ的に配信を継続すると宣言しました。
この呼びかけに対し、数日で約1800ものアカウントが集まったようですが、新たに配信を実施したチャンネルも数時間でBANされるという展開に。さらに、ガーシーの切り抜き動画を投稿していたチャンネルも次々にBANされるという事態となりました。

へずまりゅう
2020年2月~5月にかけ、さまざまなYouTuberに突撃する“迷惑系YouTuber”として注目を集めた「へずまりゅう」は、2020年5月にチャンネルをBANされました。
その後、新たにチャンネルを立ち上げてはすぐに一発BANされるという流れを繰り返します。あまりにすぐにBANされるために正確な回数は不明ですが、10回以上はBANされていたようです。
へずまは窃盗や威力業務妨害で逮捕され、2021年8月に懲役1年6カ月、保護観察付き執行猶予4年の判決を受けました。判決と同月、新チャンネルを立ち上げましたが、動画を投稿する前にBANされました。
今年3月末、へずまは“更生”をアピールして新チャンネルを開設しましたが、これも4月1日にBANされました。

遠藤チャンネル
2019年、世論とは真逆の意見を主張する“逆張り系”として注目を集めた「遠藤チャンネル」も、永久追放されています。
「〇〇は悪くないっすね」という独特な言い回しで知られる遠藤チャンネルは、2019年8月、京都アニメーション放火事件で犯人を擁護する動画を投稿して大炎上。同月にチャンネルをBANされました。
その後、逆張り系を引退してVLOG系として活動を再開しましたが、2020年8月、9月、2021年1月の3回一発BANを受けており、永久追放状態です。

平塚正幸
2020年8月、政治団体・国民主権党の党首である「平塚正幸」のチャンネルがBANされました。コロナ禍の当時、平塚は「コロナはただの風邪」と主張してノーマスク運動を展開。BAN後もYouTube活動を続けようとしたものの、その後9月までに19回もチャンネルをBANされたと報告しています。
このほか、これまで6度の逮捕歴があるとされる迷惑系配信者の「しんやっちょ」や、私人逮捕系の「ガッツch」も永久追放組とみられます。

復活組と永久追放組の違いは
永久追放されるかどうかは、①社会的影響の大きさ、②YouTubeの規約への姿勢、③視聴者からの批判の多さといった要因が影響するように見受けられます。
へずまりゅうやガーシーは、テレビでも報道されるなど世間の注目を集めていましたし、遠藤チャンネルや平塚も、当時の時事問題に関連して炎上していました。永久追放組は、いずれも過激なコンテンツで人気を集めつつ炎上もしており、支持者がいる一方でアンチも多いというYouTuberばかりです。
またBANされた後、YouTubeに挑戦するかのような姿勢を取ると、永久追放になる可能性が高まると思われます。
ちなみに、犯罪を犯した場合でも、その犯罪がYouTubeと関連しなければ、問題とはされない傾向があるようです。2019年1月、子ども向けチャンネルとして人気だった「AAAjoken」(現NNewWorld/登録者数329万人)の運営者が大麻所持で逮捕されるという事件がありましたが、YouTubeチャンネルはBANされていません。
最後に、これまでBANされたチャンネルで登録者の多いトップ10を発表します。現在までの1位はジュキヤの252万人となっています。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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