米本土初Vへ「上に引っついていかないと」 バーディを生みだす古江彩佳の“クレバーな思考”
<フォード選手権 2日目◇28日◇ワールウインドGC(アリゾナ州)◇6661ヤード・パー72>
「まずは追いつけるように頑張ります。もう負けないよう、しっかり伸ばし合いについていければ」
冷静沈着なプレーで安定感を誇る古江彩佳は、「68」を記録し上位に浮上した2日目のラウンド後、こんな思いを口にした。トータル10アンダーの6位タイで決勝に進出。今季初、そして米本土でも初となる優勝を、しっかりと見据えている。
スタート直後は1、2番で連続バーディを奪いながら、それを3、4番で失う展開。10番ではバーディを奪ったが、「惜しいパットも何回かありました」と、中盤も足踏みが続いた。
しかし終盤、そんなモヤモヤを晴らすプレーが続く。16番パー4で残り102ヤードのセカンドを3メートルにつけそれを決める。さらに17番パー5では、残り243ヤードから3番ウッドを強振したショットがピンから9メートルほどの位置についた。惜しくもあと50センチでイーグルは逃したが、ここでもスコアを伸ばすと、18番も60センチにつけるショットを披露。3連続バーディで締めくくった。
マネジメントについての話を聞いても、その冷静さが伝わってくる。例えば16番のティショットは7番ウッドを選択したのだが、古江の考えはこうだ。
「ピンが手前だったし、ドライバーでもキャリーで多分ギリギリバンカーを越えたと思います。ただ、狭いエリアになってしまう。それならレイアップして、好きな距離、スピンがかかる自信のある距離を残して、うまく打てたらという感じでした、いい距離が残せました」
こういった緻密な計算とそれを支える技術が、ひとつひとつのバーディを生み出している。
2試合前の「HSBC女子世界選手権」は2位、そして前戦の「ブルーベイLPGA」は3位と上位に名を連ねる安定感はさすが。ポイントランキングでも3位の竹田麗央に次ぐ4位と高水準なことに変わりはないが、まだ優勝は手にしていない。これまでの米ツアーでの2勝はスコットランド、そしてフランスとともに欧州で挙げたもの。米国本土での勝利も、のどから手が出るほど欲しいものだ。
そういった思いが重なり、冒頭の“もう負けない”につながってくる。ブルーベイでは竹田に独走を許した。そして今週も伸ばし合いの展開になっている。「少しでも上に引っついていかないと。午前中のメンバーはビッグスコアも出やすい。やっぱり上にいないと」。この2日は「66」、「68」と順調にスコアを積み重ねているが、週末はもう一段階ギアを上げていく。
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