公務員が人気? 【馬場典子 コラムNEWS箸休め】

間もなく新生活・新学期ですね。学研教育総合研究所から小中高生のなりたい職業ランキングが発表されました。
小学生男子はネット配信者とサッカー選手が同率1位で、警察官とエンジニア・プログラマーが同率3位。女子は10人に1人がなりたいパティシエが8年連続の1位で、2位保育士・幼稚園教諭、3位看護師。子どもたちのキラキラした瞳が目に浮かびます。
中学生になると男子はエンジニア・プログラマーが1位にランクアップし、会社員が2位に浮上。3位サッカー選手、4位公務員、同率5位に医師とネット配信者。女子も看護師が1位にアップ。2位漫画家・イラストレーター、3位会社員、4位医師、5位公務員。憧れるだけではない、意識の変化が見て取れます。
高校生。男子1位は同じくエンジニア・プログラマー。2位公務員、3位会社員、4位福祉関係、同率5位に学校教師と経営者。女子は1位看護師、2位公務員、3位保育士・幼稚園教諭、4位は同率で学校教師、栄養士、薬剤師、歌手・アイドルの4職種。より現実的に考える人が増える中で、「歌手・アイドル」には乙女心を感じます。
近年、公務員離れがニュースになっています。ところが、中学生で全体の4位、高校生では全体1位という結果。それなのになぜ?と調べ、2024・25年卒の大学生・大学院生向けに公務員に関する調査をした株式会社ワンキャリアのサイトを見つけました。
「公務員を志望したことがない」学生は36・7%。つまり63・3%は一度は志望しているのですから、やっぱりすごいですね。また、5人に1人が実際に4月から公務員として働き始めるとのこと。
以下は複数回答なのですが、まず、「どうすれば志望度が向上するか」への回答をご紹介すると、「給与の上昇」66・7%「労働時間の見直し」45・0%「ワークライフバランス」30・8%と続きます。5位の「志望部署を選べる、志望部署で長く働ける」25・8%には、民間でも同じだよ〜と教えてあげたい(笑)。そして「公務員への関心度向上に必要な情報」については「入庁後のキャリアプラン」「具体的な業務内容」「入庁後の給与の伸び具合」と続きます。
経験者からすると案ずるより産むがやすしですが、こうした不安を取り除く工夫も大切かもしれません。なぜなら、志望したことのある63・3%に聞いた志望理由のトップは「社会の役に立ちたい」65・8%。そして3位に「地元で働きたい」36・8%。若者のこうした気持ちが実ったらいいのにな、と願ってしまいます。
一方で、全体の25%を占めた「志望していたが断念した」学生の理由を見ると、同率3位で「給与が低い」と「労働時間が長い」。2位は「公務員試験が難しい」。そして驚いたのが1位。「公務員試験の受験が面倒」で、実に56・7%。ぜひそこは、若者にも頑張っていただきたいなぁ…。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 11からの転載】
馬場典子(ばば・のりこ)/東京都出身。早稲田大学商学部卒業。1997年日本テレビに入社し、情報・バラエティー・スポーツ・料理まで局を代表する数々の番組を担当。2014年7月からフリーアナウンサーとして、テレビ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーションなど幅広く活動中。大阪芸術大学放送学科教授も務める。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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