アクセルとブレーキの踏み間違い、大きくはみ出した駐車……高齢者の事故はゴルフ場でも起きている!
ゴルフに行くためには車が必要だし、運転も続けている。そんな高齢者ゴルファーは多いだろう。しかし、ゴルフ場での事故の多くは高齢者が起こしているという。四六時中ゴルフ漬けのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典は語る。
ニュースを見ると、毎週のように高齢者が運転した自動車の事故や逆走などが報じられています。70歳以上の人は、運転免許の更新時に高齢者講習の受講が義務付けられて、運転免許証の自主返納などが推奨されるようになっています。それがもう7年も経ったのに、あまり効果が出ないようで残念です。
自動車を運転しないと、生活が出来ないというエリアに住んでいる事情などは理解できますが、事故を起こす人の多くは、公共交通機関が発達しているエリアに居住しているようです。つまり、自分は大丈夫だという油断が、事故の原因になっている可能性が高いのです。
「ゴルフに行けなくなってしまうから、どうしても、免許と車は必要なんだよ」
もう少しで80歳になる先輩は、申し訳なさそうに話していました。そういう高齢者ゴルファーもたくさんいるのだと思います。複数のゴルフ場に確認したところ、高齢者が多く来場するコースでは、駐車場での接触事故などの多くが、高齢者だということでした。
アクセルとブレーキを踏み間違えて駐車場の車止めを乗り越え、コース内に突っ込んでしまうような事故も頻繁ではないものの起きていて、事故になっていないけれど、駐車スペース内に車を止められずに、少しではなく大幅にはみ出して駐車してしまうようなトラブルは頻発しているそうです。
「いつか、人身事故を起こしてしまうのではないか、と気が気でありません」と困っている様子の支配人もいました。
話をうかがったコースではありませんが、コース内でのカートの運転を誤って、入院する人が出るような大事故が、日本国内で年に数回は起きているそうです。高齢者が運転をしているときが圧倒的に多いと聞きます。
僕も目の前で、坂を下っていったカートが停止位置で止まらずに突き当たりの斜面にぶつかるように登って止まった事故を見たことがあります。慌てて助けようと近づくと、運転席で高齢の男性が「止まらない」と言いながら、ブレーキではなくアクセルを踏みしめていました。もし、後ろから衝突されたら、と考えて怖くなったことを覚えています。
自分に当てはめても、反射神経の衰えや、視力の低下で、運転が若い頃よりも下手になったという自覚があります。高齢者講習までは、まだ約10年ありますので、その分、安全運転を心掛けています。
僕は同伴する先輩ゴルファーをできるだけ送り迎えするようにしています。せっかくの楽しいはずのゴルフで、事故などを起こしてしまったら本末転倒だからです。一緒に行っていた一人として、そういうことがあったら、どうして送り迎えしなかったのだと後悔すると思います。
一方的に老人扱いをすると、互いに嫌な思いをすることがあるので、強いて、送り迎えはするけれど、高速代は出してください、とお願いすることで、気持ちの負担が少なくなるようにしています。双方にメリットがあるほうが、頼みやすいし、断りにくいものです。
免許証の自主返納をしたら電車でゴルフに行けば良い、という人もいますが、電車で行けるゴルフコースは、実は少数派で多くはありませんし、比較的高級なコースが多いので、コスパも良くありません。言うほど簡単ではないのです。(文・篠原嗣典)
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験しゴルフと恋愛のために生きると決意。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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