岩井千怜は両ヒジの間隔が変わらないから好ショット連発 アマチュアも“逆再生ドリル”でマネしよう【優勝者のスイング】
開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の最終日に7バーディ、1ボギーの「66」をマークし、トータル10アンダーでツアー通算8勝目を大会連覇で飾った岩井千怜。5つのバーディを奪ったサンデーバックナインでは、16番パー3でのスーパーショットをはじめ、ショットの精度の高さが際立った。その要因に腕の使い方を挙げるのはプロコーチの南秀樹だ。
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「スイング中の両ヒジの間隔がずっと変わらないのが、精度の高いショットを生んでいるポイント。体の回転でクラブを上げていくので再現性が高く、クラブを遅らせてフェースにボールを乗せているのも上手い。スイングリズム、フィニッシュでのバランスの良さも相まって、構えた通りに素直にボールが飛んでいます」。スイングと共に、終始落ち着いてプレーしていたのも力を発揮できたポイントに挙げる。
両ヒジの間隔を変えずにスイングするのは、スイングの核となる動き。マスターしようと両腕の間に装着する練習器具を試してみたものの、うまくいかなかった経験を持つ方も少なくないだろう。南はその理由を「右ヒジを曲げるタイミングにある」という。
「右ヒジを曲げるのが早いと肩の回転不足で手でクラブを上げやすく、タイミングが遅れるとヒジの間隔が変わりやすくなります。ベストなタイミングをつかむには、先にトップを作ってアドレスに戻す。スイングの逆再生を試してみてください」。
鏡の前などで動きを確認しながら、理想のトップを作ったら、アドレスの位置に戻す。この動きを反復練習し、理想のトップを体に覚え込ませれば、ヒジの間隔を保ったまま腕や肩を動かすフィーリングがつかめてくる。つまり、ゴールの形を覚え、そこに向かって動くことで、過程の動きが良くなるというわけだ。アドレスでは両ヒジを軽く曲げ、ゆとりを持たせておくのも、ヒジの間隔をキープしやすくするコツだという。
「身長や腕の長さが違えば、右ヒジを曲げるタイミングは変わってきます。また人によって腕のつき方も違うので、多少ワキが開きフライングエルボーになったとしてもシャフトがクロスしなければ問題はありません」。
岩井のように両ヒジの間隔を保ったまま体でクラブをコントロールできれば、ショットの正確性や再現性が高まることは間違いない。根気よく練習することが大切だ。
■岩井千怜
いわい・ちさと/ 2002年生まれ、埼玉県出身。22年から3年連続で複数回優勝を記録。日本勢初の開幕戦連覇を達成し、通算8勝。25年は姉妹で米国女子ツアーに参戦する。Honda所属。
■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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