『Googleマップの乗換案内』と『Yahoo!乗換案内』はどちらを信用すべき? 乗換案内に性能差はあるのか
電車やバスなど公共交通機関の乗り換えを調べる際に、アプリを利用する方は多いでしょう。その代表格が『Googleマップ』の乗換案内と『Yahoo!乗換案内』です。
Googleマップの乗換案内とYahoo!乗換案内の両者を比較してみると、同じ時間に同じ出発地と目的地で検索をしても、使用する公共交通機関やその時間が違うことが多々あります。
また交通機関として、電車やバスよりも利用機会が一般的に少ない「フェリー」の乗換案内については検索精度に差があるのも事実です。
では、一体どちらが正確なアプリなのでしょうか?それぞれ検証してみました。
『Googleマップの乗換案内』と『Yahoo!乗換案内』に性能差はある?
まず『Googleマップの乗換案内』は、Googleマップの機能の一部です。出発地点から目的地点までの経路や所要時間、料金、電車で乗り換えが発生する場合の乗車位置など、目的地までの最適ルートを教えてくれます。マップとして多機能で使いやすい他、飲食店やホテル、コンビニなどの施設情報を同時に探しやすいのが特徴です。
一方で「Yahoo!乗換案内」アプリは、LINEヤフー株式会社が提供する「Yahoo!路線情報」のスマートフォンアプリ。乗換ルート検索、料金検索などの基本機能に加え、遅延や混雑などの運行情報や時刻表検索、駅構内の設備情報、現在地から目的地までの徒歩ルートなどを調べることが可能です。
では全く同じルートを検索した際に、その乗換案内の精度に両者は差があるのでしょうか。まずは『国会議事堂前駅』から『羽田空港』までのルートで乗換案内を利用してみました。
結論から言えば上記のような一般的なルートの検索と乗換案内であれば、乗換案内そのものの精度差はないと言えます。ただし『国会議事堂前』から羽田空港に向かうには、乗り換えが複数回あり、そのエリアに土地勘がない方にとってはルートが複雑です。
そうしたことを踏まえたうえでの、「気の利いた案内」の精度には差があります。
Googleマップの乗換案内
まずはGoogleマップで乗換検索をしてみます。

乗換案内そのものの精度自体は、Yahoo!乗換案内と正直に言うと差がありません。そのため差があるとしたら、まずは「使い心地」。Googleカレンダーにすぐに乗換案内の内訳を登録できるのは便利です。
加えて乗り換えの際に「どの改札を出ればいいのか」「どの案内表示を見ればいいのか」「その場所は混んでいるのか」などがすべて表示されています。

これらの情報はGoogleカレンダーに登録すると、そのカレンダー上でテキストで確認することもできます。

総じて「気の利いた乗換案内である」という印象が強いです。
Yahoo!乗換案内
次にYahoo!乗換案内で乗り換えルートを検索してみます。まず先にも述べた通り、乗換案内の精度自体は同じであり、かかる電車賃の情報などにも差はありません。


カレンダーに乗換案内の情報を登録した際の、混雑状況の情報や「どの案内表示を見ればいいのか」といった気の利いた情報についてはYahoo!乗換案内はやや少なめという印象も強いです。

電車の乗換案内についてはYahoo!乗換案内を使用してみて、Googleマップと比較しても特に目立って良かった点はなく、良く言えば「あまり差がなく、しいて言えばGoogleマップの方がちょっと親切かな?」というのが筆者の感想です。
バスのルートと乗り場はGoogleマップとYahoo!乗換案内で検索可能?
先に「差がない」と述べたのは、電車の乗換案内に関するものです。では「バスのルートと乗り場」やその乗換案内については性能差があるのでしょうか?
結論から言えば、バスの乗り換えに関してはGoogleマップを利用することをおすすめします。
Googleマップの乗換案内
まずは、Googleマップでバスを使用する場合の経路を調べてみます。結論から言えば「優先する移動手段」というオプションでバスを有効化すれば、後の検索手順は電車の乗換案内とほぼ同じ感覚で利用できます。


バスの乗換案内の精度は良好で、Googleカレンダーに追加する機能の使い勝手や「気の利いた案内」も電車と同様です。
Yahoo!乗換案内
Yahoo!乗換案内でも同様の出発地と目的地、同じ時刻日付で検索してみます。するとYahoo!乗換案内では「工夫」をしないと、有料課金へと誘導されてしまいます。
バスのルートを検索している際は、一般的に比較的短い時間内にバスに乗りたい急いでいるシチュエーションが多いでしょう。よってこの点は大きなマイナスで、Googleマップに軍配が上がるでしょう。


もっとも「工夫」をすることで、有料プランを使用せずともある程度までの検索は可能です。
そこで検索方法を変えて、あらかじめ目的地をバスのターミナルに設定してみます。

Yahoo!乗換案内の無料プランを利用してバスのルートを優先して検索したい場合は、このような工夫が必要ということが分かりました。もっとも「めんどくさい」感は否めず、バスのルート検索や乗換案内でYahoo!乗換案内を使う理由は乏しいでしょう。
フェリー航路はGoogleマップとYahoo!乗換案内で検索可能?
バスの乗換案内に関しては、Yahoo!乗換案内についてやや辛辣なレビューを行いました。一方でYahoo!乗換案内が、Googleマップに比べて大幅に勝っているのが「フェリー航路」です。
岡村島から今治市という、一般的にフェリーを使うルートでの検索や乗換案内の表示を両アプリで確認してみましょう。
Googleマップの乗換案内
まずはGoogleマップでフェリー航路を検索してみます。Googleマップでは、検索条件の指定でフェリーを選べないため、特に指定はせずに検索してみます。

検索候補の2番目に出てきたルートも確認してみたところ、こちらはと岡村島から小大下港までのルートはフェリーを使用した正しい経路で表示されました。ぱっと見では、徒歩の移動が含まれていることに気が付きにくいため、しっかり確認しないと見落としてしまい、危険だと感じました。
つまりフェリーの航路が検索できないわけではないものの、実際には徒歩での移動が不可のルートが「徒歩」と表示されるなど精度にかなり難があります。フェリーでの移動が生じるルートの検索には、使用すべきではない水準の精度だと言えます。
Yahoo!乗換案内
次にYahoo!乗換案内でフェリー航路を検索してみます。Yahoo!乗換案内では、検索条件の指定でフェリーが選べるため、事前にフェリーを選択して検索します。


つまりGoogleマップに比べて、Yahoo!乗換案内のフェリーの検索精度は極めて高いです。フェリーの利用機会が多い地域の方などの場合は、間違いなくGoogleマップよりもYahoo!乗換案内を優先して利用することがおすすめです。
Googleマップの乗換案内の良い点・悪い点
Googleマップの乗換案内の優れている点は単純に「公共交通機関の乗換情報」だけでなく、「地図上でおおよその位置関係を把握したうえで徒歩も含めた全体のルートを調べたい」際に、地図を確認しながらそのまま乗換案内まで検索できる点です。少なくとも電車とバスのルート検索や乗換案内については、非常に高い精度で利用できます。
悪い点としては、まず「乗り換えに特化しているわけではない」ため、乗換情報だけを知りたい場合はYahoo!乗換案内の方が適している場合があります。
そして最大の難点は『フェリー航路』です。フェリー航路を含んだルート検索と乗換案内の情報は誤った情報が含まれており、乗換案内アプリとしては実用的ではないと言えます。
Yahoo!乗換案内の良い点・悪い点
電車とバスの乗換案内に関しては、Yahoo!乗換案内はGoogleマップに対して特に優位性は感じられませんでした。特に残念なポイントとしては、バスのルートを調べたい場合に、あらかじめターミナルやバス停の名前が分かっていないと検索結果に表示されにくい点です。バス、電車の中で最適なルートを調べたい場合には不向きだと感じました。
ただし、フェリーの検索においてはYahoo!乗換案内の方が正確であったというのは大きなポイントです。フェリー航路を含むルートや乗換案内を利用するならば、明らかにYahoo!乗換案内を積極的に使うべきです。
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています
記事提供元:スマホライフPLUS
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