ジャンボに師事して復活した木戸愛の14本を直撃! 最新モデルはほとんどなし!? 2016年モデルのUTはすごく楽? アイアンは初のカーボンシャフト
2024年シーズン、復活ののろしを上げたツアー1勝の木戸愛。19年に11年から持つシード権を手放すと低迷が続き、23年シーズンはメルセデス・ランキング(以下、MR)99位。昨季は5季ぶりのシード復活とはならなかったが、MR54位で前半戦出場権を獲得した。20代前半の選手が中心となるツアーで戦う34歳の14本を取材した。
24年から正式にジャンボ尾崎の門をたたいた木戸は、「思い切って振れ」という師匠の言葉を守り、スイングを見直すと同時に積極的なプレーを心掛けた。昨季1年間の平均ストロークは、キャリアではじめての72切りとなる「71.7562」。たびたび上位争いに加わり、トップ10入り3度をマークするなど、自身でも「すごい進化。まだまだ進化の途中ですけど、前向きにがんばりたい」と手応えを感じた。
シード復活と、12年以来の2勝目を視野に入れる木戸は、クラブ契約フリー。「今のセッティングは、全部のクラブがすごく好きで、やっと(整った)って感じがあります」。数年は試行錯誤することもあったが、昨年は盤石の14本で臨めた。
時間をかけたというようにクラブは“年代物”が多い。ドライバーは23年発売モデルのキャロウェイ『パラダイム ◆◆◆』(ロフト角9度)に、USTマミヤの『リンク ブルーEX 5S』を入れている。
ヘッドの決め手は「構えた時の顔の良さと、一番は打感ですね。フェースにくっついてくれる感じが好きなんです」と話す。また24年の夏頃に替えた『リンクブルーEX 5S』シャフトは「つかまりすぎることもなく、クセのないシャフトで振りやすい」と“1発の飛び”よりもコントロール性を重視して替えた。
ドライバー以外のウッド類も“ベテラン組”が揃う。3Wは21年発売モデルのキャロウェイ『エピックスピード』。そしてUTは3・4・5Uがホンマ『TW737』。こちらは16年発売モデルで手放せないトリオだ。
また、より高さが出てやさしさを求めて6番アイアンを抜いて6Uを入れているが、「(TW737が)無くて…」と後継モデル(18年発売)のホンマ『TW747』を選んだ。
長年の相棒となるUTは「気持ちいい球の上がりをしてくれますし、抑えるショットをした時も、思いどおりに飛んでくれます」。低スピンで飛距離性能に優れる最新モデルよりも、試合の緊張した場面でも思い通りに打てるクラブを重宝する。
「1回使ったらあまり変えないタイプかもしれません。けっこう愛着がわくタイプ」と話すが、師匠のジャンボ同様にゴルファーとしての“進化”のための探求は辞めていない。
アイアンは『スリクソン ZX5 MkⅡ』という22年モデルを使用しているが、昨年の3月からシャフトをUSTマミヤ『アッタスFF85』のカーボンに差し替えた。ジュニア時代からスチールシャフトを愛用していたこともあり、これまでも何度かカーボンシャフトを試してきたが、いつもスチールに戻っていた。
しかし、若手に対抗するために楽にボールが上がるカーボンシャフトは魅力。テストを重ねるうちに『FF85』にいきついた。「(スチールのような)しっかり感があって、やさしさも感じられ、絶妙な感じがすごく良かったです」と3月以降はカーボンで戦え、“再生”を支える一因にもなっている。
パターは『オデッセイ トライビーム#7CS』を選ぶ。「(柏原)明日架ちゃんのを打たせてもらったら良くて、作ってもらったらしっくりきました」と36インチの中尺モデルである。ここでも良さそうなものは試して取り入れる姿勢を見せている。
手に馴染んだこだわりのクラブと自分のゴルフの進化につながる新しいクラブを融合させた14本になっていた。納得のクラブとともに真の復活のシーズンにしたい。
【木戸愛クラブセッティング】
1W:パラダイム◆◆◆(9度/リンクブルーEX 5S)
3W:エピックスピード(15度/リンクブルーEX 5S)
3・4・5U:TW737(19・22・25度/VIZARD IN65U)
6U:TW747(28度/VIZARD TH7)
7I~PW:スリクソンZX5 MkⅡ(アッタスFF85)
48度:ボーケイSM10(N.S.PRO 950GH neo)
52・58度:ボーケイSM9(N.S.PRO 950GH neo)
PT:オデッセイ トライビーム#7CS
BALL:スリクソン Zスター XV
(※2024年撮影のもの)
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