正直HS40m/sだと「我慢しないといけない」 『スリクソン Z-STAR XV ボール』はどんな人におすすめ?
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
ダンロップは、『スリクソン Z-STAR XV ボール』を2025年1月17日に発売。
『スリクソン Z-STAR シリーズ』として、『スリクソン Z-STAR ボール』、『スリクソン Z-STAR XV ボール』、『スリクソン Z-STAR ◆(ダイヤモンド) ボール』の三種類が発売されますが、ドライバーで飛ばしてゲームメイクするツアーボールという位置付けになるのが、『スリクソン Z-STAR XV ボール』です。
『スリクソン Z-STAR XV ボール』のコピーは、“攻めのZ-STAR XV 最高レベルのドライバー飛距離で大胆に攻めて、飛びのアドバンテージをとりたいゴルファーへ”です。
『スリクソン Z-STAR XV ボール』は、ボールナンバーが赤いのが特徴です。松山英樹プロの使用球として有名ですが、松山プロは納得しないとボールチェンジをしないことでも有名です。新しい『スリクソン Z-STAR XV ボール』は、昨シーズンからすでに使用して、優勝した2試合でも使用していたとのこと。期待が高まります。
注目すべき『スリクソン Z-STAR シリーズ』の3つのボールに共通するテクノロジーは、「高スピン バイオ ウレタンカバー」を新たに採用したことです。最高レベルに柔らかいカバーは、前モデルよりもアプローチスピン性能が進化したそうです。「バイオ」の意味は、トウモロコシから抽出したバイオポリオールを原料に使用して、環境に考慮しているから、ということです。
更に、「強弾道 338 スピードディンプル」で、ボールが飛行後半でひと伸びする弾道を生み出し、飛距離をアップさせ、風に負けない効果も狙っています。
『スリクソン Z-STAR XV ボール』は、薄いカバーの分、ミッド層とコアを大きくした設計で、コアが潰れることで、高初速化、低スピン化を実現して、飛距離性能の向上を狙っています。
個人的に、歴代の3つの『スリクソン Z-STAR シリーズ』の中で、『スリクソン Z-STAR XV ボール』が、ずーっと大好きなボールだったので、今回も楽しみです。新しいテクノロジーで、どんな進化をしているのか? じっくりと確認しようと決意して試打ラウンドに突入しました。試打した日は、気温は1℃~11℃。快晴。微風。グリーンは9.5フィートの速さでした。
【打感・打ち応え】
『スリクソン Z-STAR XV ボール』の打音は、音量はちょうど良い大きさで、音質は硬質系強めで、鞭系のミックス。ショットのときは大人しく感じる低い音で、ショートゲームになるとクリアな高音になるのはお見事で、素晴らしいです。打ち応えは、軽めでやわらかく、手応えは、敏感で、ショートゲームの弾き感が良いです。
【弾道・球筋・スピン性能】
『スリクソン Z-STAR XV ボール』の弾道は高弾道です。伸びがある美しい軌跡のボールが出ます。曲がりにかなり敏感で、曲げやすいです。スピン性能は、その場で止まろうとするツアーボールらしい感じで、オートマチックです。
【距離性能】
『スリクソン Z-STAR XV ボール』は、トップレベルに飛ぶボールで、全番手に飛ぶ飛ばないの凸凹はありません。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『スリクソン Z-STAR XV ボール』は、飛距離がしっかりと出るツアーボールという特性は維持されていました。パットのときの澄んだ高音の打音は、磨きがかかって、究極になったように感じます。
ただ、一つだけ気になったのは、前ボールまでのヘッドスピード40m/sでも我慢しないで使えるという部分は、少しだけ後退したように感じました。コアを潰し切れていない分、飛距離性能の部分で、もっと飛ばせるはずなのに、という感じがしたのです。今までは、ドライバーに関しては、『スリクソン Z-STAR XV ボール』が一番飛んでいましたが、今回、僕の場合は『スリクソン Z-STAR ボール』の方が飛んだのです。
『スリクソン Z-STAR XV ボール』が飛ばないのではありません。ヘッドスピードが速い同伴者に打ってもらったところ、逆に前モデルのボールよりも飛距離が出たのです。つまり、ヘッドスピードがより速いツアープロに合うようにチューニングしたと感じました。ツアーボールですから、それが正解だと納得もしました。
ツアーボールとしての完成度は、ハイレベルに合格できる素晴らしさを誇っています。安定して、飛ばして、狙い通りに止めて、入れるというゴルフの基礎的要素で高性能で、全く我慢をする必要がありません。バランスの良さは流石です。
『スリクソン Z-STAR XV ボール』は、ツアーボールのお手本のようなボールです。ツアープロの要望を実現していった結果なのだと思いますが、より磨きがかかって、プロユース感が強くなりました。
こういう話は老害かもしれませんが、もし、僕が20歳若かったら、新しい『スリクソン Z-STAR XV ボール』を大歓迎したと思います。自分に合っているボールを使うのは快感だからです。パワーに自信があるゴルファーは、『スリクソン Z-STAR XV ボール』を打ってみるべきです。
『スリクソン Z-STAR XV ボール』を使う醍醐味は、打感と結果がリンクする快感を得られることです。当然、好みに左右される感覚が入る範疇なので、該当しない人もいますが、ツアーボールで評価されているボールは例外なく、特定のシーンで特別な打音を響かせて、ボールと感性のリンクが楽しめます。
ハイレベルなゴルフになればなるほど、そういう部分が機能として働いてくれるのです。メンタルの支えというか、倍数で不安を消してくれるというか。
『スリクソン Z-STAR XV ボール』は、自分の調子を教えてくれるツアーボールです。上手くなった気分にさせてくれるボールでもあります。ショートゲームのしっかり感にこだわりがあるゴルファーに強くオススメします。
【試打ギアスペック】
『スリクソン Z-STAR XV ボール』
構造 3ピース
コア ファストレイヤー D.G.コア 2.0
ミッド 高反発 アイオノマーミッド
カバー 高スピン バイオ ウレタンカバー
ディンプル 強弾道338スピードディンプル
カラー ホワイト (他にロイヤルグリーン、プレミアムパッションイエロー)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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