ウカマウ集団の特集が決定。新作2本を含む全14作で、60年の軌跡を辿る
ボリビアの映画製作集団ウカマウの10年ぶりとなる特集上映を、東京のK’s cinema(4月26日より)を皮切りに全国で行うことが決定。2本の新作「女性ゲリラ、フアナの闘い —ボリビア独立秘史—」(2016)と「30年後 —ふたりのボリビア兵—」(2022)を含む全14作を上映する。
白人層に力が集中していたボリビアで、住民の半数以上を占める先住民(アイマラ人やケチュア人ら)に無関係な映画を作ることはできないと考えたホルヘ・サンヒネスらを中心に、1962年に活動を開始したウカマウ集団。1966年に発表した最初の長編「ウカマウ」で世界に衝撃を与え、以降もアンデス地域の先住民の視点に立った映画を模索し、社会の変革を生み出してきた。
今回の特集は、1975年にウカマウ集団と出会って以来、彼らの活動をサポートしてきた日本人スタッフが主催するもの。2025年のボリビア独立200周年ならびに日本との協働50周年を記念した企画となる。宣伝費などを募るクラウドファンディングも実施中だ(4月18日23:59まで)。
「女性ゲリラ、フアナの闘い —ボリビア独立秘史—」
原題: Guerrillera de la Patria Grande, Juana Azurduy/2016年/103分
製作:ウカマウ集団 監督:ホルヘ・サンヒネス 音楽:セルヒオ・プルデンシオ
出演:メルセデス・ピティ・カンポス、クリスティアン・メルカード、フェルナンド・アルセ
「30年後 —ふたりのボリビア兵—」
原題:Los Viejos Soldados/2022年/110分
製作:ウカマウ集団 監督:ホルヘ・サンヒネス 音楽:セルヒオ・プルデンシオ
出演:クリスティアン・メルカード、ロベルト・チョケワンカ
この映画は、人々を行動に動員する要因になりうるものだ。
【ジャン=リュック・ゴダール(映画監督)「コンドルの血」評】
スペイン人征服者たちの到来以前からアメリカ大陸に住む人々の中で育まれ制作された、
真のラテンアメリカ映画がついに誕生しつつあることを、この注目すべき作品は示している。
【ジョルジュ・サドゥール(映画批評家)「ウカマウ」評】
〈ウカマウ集団60年の全軌跡 全作品一挙上映〉
上映予定作品:「革命」(1962)、「落盤」(1965)、「ウカマウ」(1966)、「コンドルの血」(1969)、「人民の勇気」(1971)、「第一の敵」(1974)、「ここから出ていけ!」(1977)、「ただひとつの拳のごとく」(1983)、「地下の民」(1989)、「鳥の歌」(1995)、「最後の庭の息子たち」(2003)、「叛乱者たち」(2012)、「女性ゲリラ、フアナの闘い —ボリビア独立秘史—」(2016/初上映)、「30年後 —ふたりのボリビア兵—」(2022/初上映)
配給:シネマテーク・インディアス
公式サイト:https://www.jca.apc.org/gendai/ukamau/
記事提供元:キネマ旬報WEB
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