駿河太郎が語るサーフィンの魅力「相手は大自然。一瞬でも気を抜いたら命を落とす」:風のふく島
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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福島12市町村移住者たちの実話をもとに紡ぐオムニバスストーリー、ドラマ25「風のふく島」(テレ東系毎週金曜深夜24時42分 ※1月17日放送の第2話は深夜24時52分)。広野町を舞台にした第2話の主演を務める駿河太郎にインタビュー! ドラマの見どころはもちろん、サーフィンの魅力を聞いた。
※福島12市町村…東日本大震災の際、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示の対象となった田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村を指します。
【動画】実話を基に紡ぐオムニバスドラマ「風のふく島」
モデルとなった方との運命的な出会い
——東日本大震災を経て福島で生きる人々の思いが描かれた本作品。どんなことを感じましたか?
「時間が経つと、被災していない人たちは記憶が薄れてしまうこともあると思います。被災地の人たちにしか分からない思いを、視聴者の方が考えるきっかけになればいいなと思いました。
僕は阪神・淡路大震災を経験していますが、30年近く経っても当時の傷を抱える人たちはたくさんいます。日本は災害と背中合わせで生きていかなあかん宿命ですが、被害を風化させないためにも、こういった作品は必要だと思います」
——駿河さんが演じるのは、広野町で生まれ育ったホテル経営者で、ローカルサーファー・大迫保(おおさこ・たもつ)。駿河さんご自身もサーファーで、ぴったりの役どころですよね。
「地上波のドラマで大好きなサーフィンができると聞き、迷わず飛びつきました(笑)。さらに、復興に対する思いが込められた作品ということで、自分が何かの力になれるのであればと、喜んでお引き受けしました。
僕が演じる保は、震災当時は海外で暮らしていたので、自分が被災していないことが心に引っかかっています。そして“サーフィンばか”の彼は、サーフィンの大会を開いて、町を盛り上げようと考えます。何でもサーフィンに絡めて考えてしまうのは“サーファーあるある”で、僕にも気持ちがよく分かります。
保と仲間たちがサーフィンをする岩沢の海は、すごく良いポイントなんですよ。水もきれいだしロケーションも最高なので、その良さを伝えられたらいいなと思いました」
——サーフィンの撮影シーンはいかがでしたか?
「撮影の日は結構な荒波で、とても大変でした。自然が相手なので、サーフィンの撮影って難しいんですよね。波の良し悪し、僕の技術的な部分やタイミング、風の向き…1時間変わるだけで潮の満ち引きも変わってくるし、撮る側がサーフィンのことをよく理解していないとうまく撮れない。保のモデルになった方と僕で、監督や撮影クルーと擦り合わせをしました」
——モデルの方とのチームワークもバッチリだったんですね。
「実はこの作品のお話をいただく前に、プライベートでモデルの方と出会っているんですよ。彼がホテルを経営していて、地元を盛り上げようとしている人だということは知っていて、その後にこのお話をいただいたので、本当にビックリしました。
撮影が始まってから『初めて会った時、ドラマのこと知ってた?』と聞いたら、『いや、全然』って(笑)。不思議な縁を感じました」
——まさに運命の出会いを果たしていたのですね! 駿河さんご自身は移住や二拠点生活に興味はありますか?
「もしも海の近くに移住したら、きっとサーフィンばかりして仕事をしなくなってしまうので、マネジャーさんが泣いちゃうと思います(笑)。海沿いに住んで、朝も夕方もサーフィンみたいな生活だとメリハリがなさすぎて…。都会で刺激を受けつつ、息抜きに車を走らせて、2時間ぐらい海に入って、また戻るというバランスの方がいいのかなと。行き帰りの車の中でいろいろなことを考えたり、セリフを覚えたりもしますし、そんな生活が自分には合っています」
「自然を相手にしていると、人間の小ささを思い知らされる」
——駿河さんが、サーフィンを始めたきっかけを教えてください。
「小さい頃からサーフィンがやりたくて、親に連れて行ってもらった旅行でも、波打ち際で小さなボディーボードに乗って、朝から晩までずっと遊んでいました。波に乗る感覚が好きやったんでしょうね。ただ、育ったのが関西で、いかんせん海が遠い。大学生の時は5~6時間かけて海に行っていましたが、帰りの運転がとても眠くて、『こんなことをしてたらいつか死ぬ』と、サーフィンからちょっと遠ざかっていたんです。でも、心のどこかでずっとサーフィンのことは考えていたと思います。
東京に出てきてしばらくはバイト生活で、お金も時間もないし、サーフィンをする余裕がありませんでした。10年ほど前、車を買ったのと同時に、サーフボードを買いました。そこからまたサーフィンを始めて、首の手術をして3年ぐらいのブランクがあったんですけど、6~7年前に復活してサーフィンを再開し、そこからは仕事の合間を縫ってサーフィンに行く生活になりました」
——サーフィンの魅力はどこにあるのでしょう。
「自然を相手にしていると、人間の小ささを思い知らされるんですよ。自然にはどうやっても勝てないですし、自分が悩んでいることが小さく思えてくる。サーフィンのおかげで小さなことで悩まなくなったし、どんな事に対してもなめてかかることがなくなりました。海でも山でも、相手は大自然。一瞬でも気を抜いたら命を落としますからね。
だから海に入っている時、普段のことは何も考えません。ずっと波のことと乗ってからのイメージをしているだけ。余計なことを考える余地がないので、脳もリフレッシュされます」
——スノーボードもお好きだそうですが、2025年、やりたいことは?
「サーフィンとスノーボード、そしてお芝居ができれば、それで最高です。時間があれば、NSA(公益社団法人 日本サーフィン連盟)の検定を受けて、自分の実力が何級くらいなのか知りたいです。1~5級まであるんですけど、2級ぐらいまでいけたらいいなと思っています」
駿河太郎主演、ドラマ25「風のふく島」(毎週金曜深夜24時42分 ※1月17日放送の第2話は深夜24時52分)第2話のあらすじは?
アメリカから帰国後、広野町でホテルを経営しながら、幼馴染の耕作(池内博之)・遊大(落合モトキ)と共にサーフィン三昧の日々を送る大迫保(駿河太郎)は、広野町の海に人を呼び戻すためサーフィン大会の復活を決意。意気込む保たちだったが、過去の大会を運営していた地元のローカルサーフィン連盟は風評被害を気にして消極的な反応で、野々村(風間トオル)と言い合う始末。
さらに、耕作・遊大とも喧嘩になり仲間割れしてしまう…。最悪な状況の中、耕作の身にある出来事が…!
【駿河太郎(するが・たろう) プロフィール】
1978年6月5日生まれ。兵庫県出身。
音楽活動を経て「東映若手俳優育成オーディション」の合格を機に俳優へ転身し、映画「デトロイト・メタル・シティ」に出演。NHK連続テレビ小説「カーネーション」でヒロインの夫役に抜てきされ注目を集める。ドラマ「荒川アンダー ザ ブリッジ」(TBS系)や「半沢直樹」(TBS系)でも活躍。
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二の生涯を描いた「夢二 愛のとばしり」で映画初主演を務める。映画「あまろっく」「朽ちないサクラ」「十一人の賊軍」「正体」などに出演。正月時代劇「幕末相棒伝」(NHK総合/NHK BS4K)、「新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜」(読売テレビ/日本テレビ系)、「連続ドラマW フィクサー」(WOWOW)、「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜 最新章SP」(日本テレビ系)、地面師たち(Netflix)などドラマ作品にも多数出演。
(取材・文/伊沢晶子)
記事提供元:テレ東プラス
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