全英覇者の実家が全焼、トロフィーも焼失… LA山火事の現状【カメラマン南しずかの米ツアー小話】
畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、2024年は日本勢9人が出場した米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のこぼれ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?
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米カリフォルニア州ロサンゼルス周辺で1月7日に発生した山火事は、1週間以上経っても続いている。複数の場所で山火事が発生し、焼失など被害を受けた建物は1万棟以上だという。
2014年の海外メジャー「全英リコー女子オープン」の覇者で、23年に米女子ツアーから退いたモー・マーティン(米国)の実家も全焼した。実家にはマーティンの母親と兄が暮らしていた。ふたりが危険を察知し避難しはじめたとき、自宅付近のヤシの木が燃えはじめていた。
命に別状はなかったものの、50年近く住んでいた家だけではなく、何もかも焼失してしまった。家財、身の回りのもの、思い出の写真、そして全英女子の優勝トロフィーも。
今はマーティンの家に身を寄せている。「我が家(寝室2部屋とリビングルーム)に、私を含めて大人3人、犬4匹、猫5匹がいる状態です」と、マーティンが現状を説明してくれた。実家はもちろん保険に入っているが、こんな未曾有の災害は経験がないため、どういう保険がおりるのか、むしろ保険がおりるのかどうかも、分からない状態だ。
そこで、マーティンの友人が米国のクラウドファンディング『GoFundMe』でプロジェクトを立ち上げた。「多くの友人たちが続々と、サイトを通じて寄付をしてくれていて、すごくありがたいです。被害を受けたのはうちだけじゃないので、被災者をサポートしたいなと思う方は、支援先や寄付の方法はいろいろあると思うので、無理なくできることを探してみるというのもいいかもしれません」。
マーティンが子どものとき、金銭的な事情でゴルフを習いに行くことは難しかったため、父親が自宅付近の私道で教えてくれたという。そんな思い出の道も、瓦礫(がれき)だらけの光景に変わってしまった。「思い出は記憶に残っているので」とマーティンは前を向いた。(取材・文/南しずか)
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