飛行中の米航空機、エンジンに鳥が吸い込まれて火花 緊急着陸へ
飛行中のアメリカン航空の航空機「エアバスA321型機」のエンジンに1羽の鳥が吸い込まれた。カメラはその瞬間、エンジンが火花を上げる様子をとらえていた。同機が緊急着陸を余儀なくされたことを、米ニュースメディア『USA TODAY』などが報じた。
現地時間12日、ニューヨーク州の「ラガーディア空港」を午後7時21分に離陸し、ノースカロライナ州の「シャーロット・ダグラス国際空港」に向かっていたアメリカン航空1722便が、鳥と衝突するバードストライクに見舞われた。
乗客が撮影した動画では、航空機右側のエンジンに1羽の鳥が吸い込まれ、その直後に火花が上がる様子が確認できる。午後7時52分、同機のパイロットが緊急事態を宣言した。
同便は午後8時頃、ニューヨーク州の「ジョン・F・ケネディ国際空港」に緊急着陸し、その後アメリカン航空の整備チームが機体の検査を行った。緊急着陸の影響で、空港の滑走路は約10分間閉鎖された。
この事故について現在、米連邦航空局(FAA)が調査を進めている。幸いにも乗員6名、乗客190名に怪我はなかった。乗客はその晩、アメリカン航空が提供したホテルで過ごし、翌日の正午前にシャーロット・ダグラス国際空港に到着した。
FAAによると、近年バードストライクの件数は増加傾向にあり、昨年だけで全米713の空港から1万9400件が報告されている。しかし今回のように、民間ジェット機が緊急着陸を余儀なくされることは稀だという。
バードストライクといえば、2009年1月15日に米航空会社「USエアウェイズ」の航空機で発生した“ハドソン川の奇跡”が知られている。ラガーディア空港を離陸して間もない航空機に鳥の群れが衝突し、2つのエンジンが制御不能に陥ったものの、チェスリー・“サリー”・サレンバーガー機長(Chesley “Sully” Sullenberger)は見事にハドソン川に不時着させ、奇跡の生還劇を実現した。この出来事は後に映画化された。
なお、中国では今月5日、廈門高崎国際空港に着陸進入中の中国国際航空の航空機が、鳥の群れと衝突する事故が発生した。鳥たちは次々に弾き飛ばされ、その様子を記録した動画に注目が集まった。
画像は『Vanessa Ruffes X「Getting video tonight of a bird strike on an American Airlines flight from LaGuardia → Charlotte Douglas.」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
記事提供元:テックインサイト
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