日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』をレビュー!
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フィンランドの田舎でメタル・バンドをやっていた若者たちが(ライブ経験はゼロ)、ひょんなことからノルウェーで開催される巨大メタル・フェスを目指すことになる前作は文字通り牧歌的でほのぼのとしたコメディで、同様にそれぞれ牧歌的な登場人物の魅力にも溢れていた。
諸般の事情により、バンドは前作のラストでノルウェーの刑務所に収監されてしまったが、そんな彼らが本作ではメンバーの一人の実家のトナカイ粉砕場を守るべく、ドイツで開催されるヘヴィ・メタルの祭典「ヴァッケン・オープン・エア」を目指す。
ストーリーは基本的には前作の焼き直しで、出場枠がないにもかかわらず強引にフェスを目指す部分も同じ。
新たな要素としてはバンドのオリジナル曲を勝手にリミックスしてヒットを狙う悪徳プロデューサーの存在や、ボーカルで主人公のトゥロが「ソロでもいけるかも」と勘違いしてメンバーとギクシャクする展開があるが、これらは「定番」ではあるかもしれないがあまりに手垢まみれで新味に乏しい。
今はセルアウトしてしまった伝説のメタル・バンドのボーカルの声が低音すぎて全く聞き取れないとか、随所に面白いギャグはあるが、まとまりを欠いたのが残念。
STORY:活動12年目に実現した初ライブ直後に逮捕・収監されたフィンランドのド田舎メタルバンド、インペイルド・レクタム(直腸陥没)。メンバーの実家のトナカイ粉砕場を救うために脱獄し、ドイツのメタルフェス出場を目指す!
監督・脚本:ユッカ・ヴィドゥグレン、ユーソ・ラーティオ
出演:ヨハンネス・ホロパイネン、マックス・オヴァスカ、サムリ・ヤスキーオ、チケ・オハンウェほか
上映時間:96分
12月20日(金)よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開予定
記事提供元:週プレNEWS
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