「QTの時はやばかった…」 2差5位発進の都玲華はコーチにもらった“LAB”で不安払拭
<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 初日◇4日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6589ヤード・パー72>
今年のプロテストに合格した97期生25人(山口すず夏は米Qシリーズ出場のため欠場)による“真剣勝負”がこの新人戦。4回目の受験となった今年、2位タイで合格した都玲華は、4バーディ・2ボギーの「70」で回り、首位と2打差の5位タイで滑り出した。
2番パー3で6メートルを沈めてバーディが先行すると4番パー4は1メートル、5番パー5は5メートル、10番パー4は90センチと順調にスコアを伸ばす。11番パー4でボギーとすると「3パットで流れが悪くなってしまった」と勢いは止まり、逆に16番で1つ落としてフィニッシュ。それでも表情は明るかった。
「一番のネックはパッティングでした」。先週行われたファイナルQTは53位と来季の前半戦は限定的な出場権の獲得にとどまった。「気持ちの問題で体が動かなくなっちゃうみたいな感じで、あまりにも入らなくて…。一緒に回った人はイップスって思ってるぐらいだと思うけど、自分でもやばいなと思いながら…」。今週は「どうせ入らないなら」と気分転換にパターを替えた。
「(石井忍)コーチが持っていたパターが良かったので持ってきました」。コーチにもらったパターはL.A,B.ゴルフの『MEZZ.1』。同社のパターはアダム・スコット(オーストラリア)やフィル・ミケルソン(米国)、日本では片山晋呉らが使用して話題になっている。「ライ角バランス」と呼ばれる独自テクノロジーにより、ストローク中にフェースの開閉(回転)を抑えたゼロトルクパターとして知られる。
ストローク中にフェースが開閉しないため、構えて上げて下ろせばそのままフェースの向きにボールが打ち出せる。初めて実戦投入した都は「ボールの線に合わせて構えるんですけど、そこに打つだけとシンプルに打てます」と話す。「入らないときもありましたけど、思ったところに打ち出せていますし、いい時って外れるときもカップをオーバーするのですが、それができていました。いい証拠かな」と抱えていたグリーン上の不安を払拭できそうだ。
今大会の歴代優勝者には不動裕理や横峯さくら、上田桃子、森田理香子ら歴代女王のほか、原英莉花、桑木志帆、川崎春花ら複数回優勝者も多く名を連ねる、トッププロへの登竜門的な大会でもある。都は「みんなと仲良くなりたい」と面識のない同期親睦を深められることを楽しみにしている。「今日回った徳ちゃん(徳永歩)は愛くるしくてかわいすぎます。超いい人です。楽しく回れました。ただ一生に一度の大会といわれると、気を引き締めてがんばりたい」とプロ初タイトルも視野に入れる。
97期ナンバー1の称号とともに優勝者には270万円の賞金が用意されている。「欲しいですけど…」と歯切れの悪い都は苦い思い出もある。プロテスト合格後に出場した“プロ初戦”は、11月14~15日に行われた優勝賞金500万円の「マイナビネクストヒロインツアーファイナル」。
「賞金を意識してマイナビは失敗したので。下から数えた方が早かったです(笑)。いったんお金のことは置いておいて、1打1打やるべきことに集中して、楽しく集中しながらやりたい」。同じ轍は踏まない。今年のステップ・アップ・ツアー「大王海運レディス」で史上6人目のアマチュア優勝を遂げた実力者が、同期との親睦&ナンバー1の座を狙う。
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