被害者の身元確認が困難を極めた事件、飼い犬の忠誠心が犯人逮捕につながる(米)
アメリカで発生した殺人事件で、1匹の犬が犯人逮捕に貢献した。被害者の遺体が焼かれていたため、身元の特定が困難な状況だったが、被害者の飼い犬の行動により事件解決の糸口が得られた。米ニュースメディア『The Mirror US』などが報じている。
昨年4月、米テキサス州ヘイズ郡サンマルコス在住のマンディ・ローズ・レイノルズさん(Mandy Rose Reynolds、26)が、いとこのデレク・デイグノルト(Derek Joseph Daigneault、29)により命を奪われた。
同州マクレナン郡ウェーコの第19州地方裁判所で現地時間11月7日に行われた裁判では、マンディさんが飼っていたラブラドゥードル“タイタン(Titan)”の忠誠心が犯人逮捕に貢献したことが明らかになった。
事件当時、マクレナン郡ロビンソンのヘストン・サークル地区の住民から「山火事が発生した」と通報を受け、警察官が現場に向かうと、プラスチック製の箱に入った遺体を発見した。遺体は身元が特定できないほど燃やされており、捜査は難航するかと思われた。
この時、現場では警察や消防隊の到着に反応し、激しく吠える犬がいた。この犬は、マンディさんが飼っていたタイタンだった。警察官はタイタンを捕獲しようとしたが、警戒心が強く、なかなか捕まえることができなかった。しかし、タイタンは当局が現場で捜査する間も付近に留まり、そこから離れようとしなかった。
翌朝、現場付近で住民がタイタンを発見し、車に乗せて地元の動物管理官に連絡した。そして当局が、タイタンに埋め込まれていたマイクロチップを読み取ったところ、飼い主がマンディさんだと判明した。警察官がマンディさんの自宅に向かったところ、家の中が荒らされており、さらに彼女の車もなくなっていた。警察官はマンディさんの車のナンバープレートを調べ、車が同州ウィチタ郡を走行していることを突き止めた。
デレクが運転する車を発見した警察は停止を求めたが、デレクはそれに応じず、約30分間にわたるカーチェイスの末、最終的に逮捕された。今回の裁判では、デレクがマンディさんを射殺し、車で遺体をマクレナン郡の現場まで運んで火をつけたことが明らかとなり、デレクに終身刑が下った。
デレクがマンディさんを殺害した動機は今のところ不明だが、地方検事補のライアン・カルバート氏(Ryan Calvert)とアリッサ・キリン氏(Alyssa Killin)は、次のように述べている。
「この事件の鍵となったのは、勇敢で飼い主に忠実なタイタンと、複数の管轄区域と州の法執行機関の並外れた協力でした。これらが被害者のマンディさんに正義をもたらし、暴力的で危険な犯罪者から市民を守ることができました。」
一方、愛する飼い主を失ったタイタンは、現在、マンディさんの親友が世話をしている。
画像は『The Mirror US 「How a loyal labradoodle with microchip led police to charred owner’s body - and her killer」(Image: McLennan County District Attorney’s Office)(Image: KWTX)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
記事提供元:テックインサイト
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