「ネズミに食べられた」泥酔して家畜小屋で寝た女性、両脚を失うことに(露)
ロシアでホームレスの女性が、泥酔して眠っている間に両脚をネズミにかじられてしまったという。女性は両脚を切断する羽目になり、介護が必要な身体になってしまったそうだ。英ニュースメディア『The Daily Star』などが伝えている。
ロシアのニュースメディア『kpstav』が6月13日、酔って寝ている最中に「ネズミに両脚を食べられた」と主張している女性について報じたところ、多くの海外メディアが取り上げ注目を集めた。女性は60代と見られ、名前がマリナ(Marina)とだけ伝えられている。災難はスタヴロポリ地方にある農場の家畜小屋で、酔ったまま眠ってしまった時に起きたという。
ネズミに脚をかじられたマリナさんは、身動きが取れずにいたところを通りすがりの人に発見され、病院に搬送された。しかし彼女の両脚はすでに壊疽が始まっており、両脚全てを切断することになった。通常は壊疽が始まると皮膚や皮下組織が死滅することで黒く変色し、治療としては死滅した組織を切除することになるが、彼女の場合は両脚を切断せざるを得なかったようだ。
現在、ホームレスの保護施設「ヘルピング・ハンド・シェルター(Helping Hand shelter)」で療養中のマリナさんは、周囲から何が起こったのか尋ねられると、「酔っ払ってネズミに食べられちゃったのよ」と答えているという。同施設の職員によると、マリナさんは重度のアルコール依存症で、そのために子供の親権を失い家族とも疎遠になってしまったそうだ。
しかしながら、マリナさんはどこへ行くにも誰かに抱えてもらう必要があり、定期的にオムツを替えてもらわなければならないため、同施設では彼女の兄弟に連絡を取った。ヘルピング・ハンド・シェルターの責任者オルガ・シルヤエワさん(Olga Shiryaeva)は、このように語っている。
「マリナさんは何も持っておらず、行くところもありません。しかし彼女はどこへ行くにも抱っこしてもらい、オムツを替える必要があります。それで私たちは彼女の兄弟に連絡しましたが、『彼女とはもう何年も話していないし、もう二度と連絡しないでくれ』と拒絶されてしまったのです。また、彼は『これはマリナが自分で選んだ道だ』とも言ってました。」
そんな状況にもかかわらず、マリナさんにとってお酒を断つのは非常に難しいようだ。オルガさんは、「もし今のマリナさんに『お酒を飲みますか?』と尋ねたら、『うん、グラスに注いでおくれ』と答えるでしょう」と明かしており、また彼女は喫煙もしているという。今では施設内で友人も増え、少しずつ回復を見せているマリナさんだが、不幸にも同施設は防火に関する違反を指摘されており、当局から閉鎖を命じられている。そのため、今後のマリナさんの行く末が心配されているようだ。
ちなみに主要な統計データを公開するポータルウェブサイト『Statistica』で2021年の人口調査によると、ロシアではおよそ1万1300人のホームレスがいるが、国内のアルコール依存症者はそれよりもはるかに多く、深刻な社会問題になっている。また2023年にはロシアのニュースメディア『The Moscow Times』が、国内で購入された蒸留酒は23億リットルに上ると報じており、前年度2022年の22億リットルを上回り過去最高の記録だったという。
画像は『The Daily Star 「Drunk woman falls asleep in farm yard and wakes up to horrifying discovery」(Image: Head of homeless shelter Olga Shiryaeva/Newsflash)』『The Mirror 「Homeless woman loses both legs after ‘rats ate them’ when she fell asleep drunk」(Image: Head of homeless shelter Olga Shiryaeva/Newsflash)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
記事提供元:テックインサイト
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