今年はルーキーのシード入りが“ゼロ” 政田夢乃は前半戦出場権にも一打及ばず「課題ができました」
<大王製紙エリエールレディス 最終日◇17日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
大会終了時点のメルセデス・ランキング(以下MR)で、50位までに入った選手たちの来季シード入りが確定した。ランキングによる初シードは、MR31位の鶴岡果恋、34位の小林夢果、35位の小林光希、36位のウー・チャイェン(台湾)の4人だったが、このなかに昨年のプロテスト合格者はひとりも名を連ねなかった。
そんなルーキーたちのなかで最もシード入りに近づいたのが、MR61位で大会を迎えた政田夢乃だった。3日目を終えて、2位タイ。山下美夢有、鈴木愛という女王経験者2人と最終日最終組に入った。「思ったよりも緊張しませんでした。トップと差が開いていたので、自分のゴルフをして最低限5位に入りたいという気持ちでした」。逆転シード入りへの目安だった単独5位以上を視界に入れてプレーした。
しかし10番までに3つ落とす展開。15番は1メートル弱、16番は3メートルを決めて連続バーディを奪ったが、取りたかった最終18番は残り166ヤードから6番UTで放った2打目が右7メートルと寄らず、スコアを伸ばせなかった。「72」と1つスコアを落とし、トータル14アンダーの7位タイに終わった。
この結果、MR56位に終わり初のシードは逃した。さらに51~55位までの選手が得られる、来季の第1回リランキングまでの出場権にも、あと一歩手が届かなかった。55位の笠りつ子との差は1.68pt。たら・ればにはなってしまうが、この日をイーブンでまとめ、5位タイになっていれば累計ポイントは431.74ptでMR54位だった。まさに“一打に泣く”ことになってしまった。
QTランキング147位で始まったシーズンは、下部のステップ・アップ・ツアーで開幕を迎えた。レギュラーツアー初出場は5月の「リゾートトラストレディス」で、いきなり8位と活躍した。第1回リランキングを30位で突破すると、8月の「NEC軽井沢72ゴルフ」では優勝争いのすえ2位になった。急ピッチにシード入りへの階段を昇ってきたことになる。
「お客さんの数や、グリーンスピード、コンディション、セッティングがステップと違っていて、たくさんいい経験ができました。レギュラー2戦目(ヨネックスレディス)で予選落ちして、その時は不安だったけど。ここからは予選も通過して自信になりました。でも、決勝ラウンドで伸ばせない課題ができました。来年はそこで伸ばせるように」
課題と収穫が混じるルーキーイヤーだ。プレッシャーがかかる局面で女王2人とラウンドしたことも、「ミスが見えない。フェアウェイをキープして、攻めるところは攻める。守りながらも攻めるよう姿も見え、パターも上手。欠点が見当たらない。勉強になりました」と、来年の糧になりそうだ。MRによりQTはファイナルから出場する。「準備もしている。来週1週間空くので、しっかり調整して上位にいけるように頑張りたい」。2年目の飛躍へ、ここから準備を整える。
このほかのルーキーでは、菅楓華がMR63位、高木優奈がMR68位でファイナルQTから出場できる。昨年は神谷そら、一昨年は川崎春花と、ルーキーがシードのみならずメジャー制覇を果たすなど、若い力の台頭が目立った。今年は少しさびしい結果となったが、来年は2023年合格組の“96期生旋風”が巻き起こることに期待したい。
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