思い出は石川遼&星野陸也のプレーオフ「早くここに行きたい」 大会初出場・平本世中が単独首位発進
<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇7日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
今年で52回目を迎える伝統の一戦。初日に単独首位に立ったのは、今季初めてシード選手として戦う25歳・平本世中(ひらもと・せじゅん)だった。
ボギーなしで6つのバーディを奪取し「64」をマーク。「練習ラウンドの時からグリーンが速かった。いいコースというのは毎年テレビで観ていたので分かっていたけど、回ってみると独特の難しさがありました」と、大会初出場ながら堂々たるプレーを見せた。
1番からスタートして5番でバーディを奪うと、その後はパーを並べた。そして後半で、一気にリーダーボードを駆け上がる。折り返し直後の10番、「10メートル弱くらい」のパットを沈めた11番で連続バーディ。14番でも伸ばすと、上がりも連続バーディと伸ばし単独首位で初日を終えた。「自分のやりたいことが全てできた。それが結果につながった」と一日を振り返った。
今季はここまで18試合に出場。開幕戦の「東建ホームメイトカップ」で8位、5月「For The Players By The Players」では3位と4度のトップ10入りを果たしている。前戦の「日本オープン」では予選落ちとなり、今大会までの1カ月間は「悔しい思いをしたので、練習や体を休めたりして、改善できればと思って今日を待っていました」と過ごした。リフレッシュを兼ねて沖縄旅行もした。「観光して、遊んで」とゴルフの事は考えずに本島と宮古島を満喫し、気分一新で御殿場入りしている。
今大会で一番印象に残るシーンは、2022年の石川遼と星野陸也のプレーオフだという。当時プロ1年目だった平本はこの戦いを見て、「早くここに行きたいと思った」と胸を打たれた。ちなみに、2ホール目でバーディを奪った石川が勝利を手にしている。
憧れの舞台で、今度は自分が主役になるチャンスが巡ってきた。まだ初日ではあるが、望外の結果に「自信をもって臨めている」と胸を張る。初優勝に向けて突き進むつもりだ。(文・齊藤啓介)
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