準シード狙う19歳ルーキー・菅楓華の“新しい自分” 目標変更で心の余裕に「考えすぎると自分に圧がかかって…」
<伊藤園レディス 事前情報◇7日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6769ヤード・パー72>
昨年のJLPGA最終プロテストを5位タイで一発合格し、ルーキーとして戦う菅楓華は、来季のシード権争いのラストスパートを迎えている。
レギュラー自身初戦となった「Vポイント×ENEOS」では7位タイとトップ10入りの好スタート。これまで20試合に出場してトップ10入り4回で、メルセデス・ランキングでは62位に位置している。来季のシード権を獲得することができるのはランキング50位以内まで。“準シード”といわれる前半戦の出場権を得ることができるのは51~55位の選手となる。菅が狙うのは準シードの枠だ。
今季も残り3試合となるが、最終戦はツアー優勝者やランキング上位者のみが出場できるメジャー大会のため、現時点で菅が出場できるのは2試合。「良かったところも悪かったところも、すごく自分にプラスになることばかりだった。夏には優勝争いもできましたし、今は少し厳しいところではあるんですけど、本当にいい経験ができているなと感じています」。9月「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」では、首位と2打差の2位で最終日を迎えるも「75」と崩れて涙を流した。
そのときの経験は大きかった。「優勝争いをする立場で、自分のゴルフがどうできるか、どういう球が出るのかというのも分かりました。また、予選カットギリギリのところでどういう感情になるのかも、たくさん経験できました」と、あらゆる状況でどのような自分になるのか、“新しい自分”を発見することができている。
ただ、成績だけで考えると悔しい気持ちがあふれる。「本当はシードを取れるところまで行きたかった。あと2試合しかないと考えると、頑張らないといけない」。笑顔だった表情に緊張感をにじませる。「まずは自分が達成できる目標は準シードを取ること。そこに目標を変えて55位以内を目指していきたい」と気持ちを切り替えた。
開幕当時は“初シード獲得”という目標を強く意識しながらの戦いだった。「考えすぎると自分に圧がかかってゴルフにならないなと思いました。準シードを取ることに目標を変えたらそこまで感じなくなったんです」。
先月の「マスターズGCレディース」からは2試合連続の予選落ちを喫したが、そこで目標を考え直し、心に余裕が持てるようになった。先週は下部のステップ・アップ・ツアー「明治安田レディスオープン」に出場。ひさしぶりにトップ10入り(9位)を果たすことができた。
プロ1年目で、新しい発見ばかり。そのなかで大きな変化もあった。それは練習スタイル。「もともと練習をたくさんしないとダメなタイプで、毎回の練習で14本すべてのクラブを触るようにしていました。朝の練習もなるべく。距離感の確認もありますが、全部打たないと心配になってしまうような感じで…」。練習日にはショットの練習に多くの時間を割き、夕方の遅くまでコースにいることが多かった。
しかし、この日は午後1時過ぎに練習を切り上げていた。「練習時間を減らしたんです。火曜日、水曜日に仕上がってしまうことがあって、最終日になると疲れてしまうことが多かった。あまりしすぎないように、体が疲れない程度にやる。結果が出せなくなったのも、こういうところから来ているのかなと思うので」と心機一転した。
今週は来季の職場がかかる大事な試合。この新しい試みを結果につなげたいところだ。「まずは予選を通過すること。でもポイントランキングばかり意識してしまうと、自分のゴルフができないと思うので、今、自分がやるべきことを考えていきたい。気持ちにメリハリつけていきたい」。これまでの試合で得た気持ちの持ち方も生かして、“準シード”獲得へ大きな一歩を踏み出したい。(文・高木彩音)
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