股関節痛も木下稜介は強行出場… 「痛みと付き合いながら」狙うは米ツアー最終予選会
<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇7日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
前戦の「日本オープン」では、首位タイの最終日最終組から優勝争いに挑んだが、1打届かず涙の惜敗。リベンジと言わんばかりに木下稜介が5アンダー・2位タイと好発進を決めた。
ボギーなしの5バーディ「65」で回った初日。好スコアとは裏腹に「月曜日、ストレッチをした時に筋を痛めてしまって、なかなか痛みが取れない」と左股関節を痛めてしまった。「すみません」と一言、イスに座りながらの取材になる程だった。
朝の練習では棄権の二文字もよぎったが「クラブをさわれる状態だった」となんとか18ホールを回り切った。それどころか5つのバーディを奪う好プレーに「その辺がよく分からなくて…」と困惑気味だ。
「奇跡みたいなラウンド」。こう一日を振り返る木下は、10番からスタートすると、150ヤードの2打目を約5メートルにつけてバーディ発進を決める。前半こそ「右プッシュのミス」でフェアウェイを捕らえることができない場面もあったが、ラウンドを重ねるごとに修正し、リーダーボードを駆け上がった。
4月に同コースで行われた「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」でも優勝争いを演じた木下。当時の持ち球はドローだったが、今はフェードを打つ。6番のやや右ドッグレッグはもちろん、左ドッグレッグとなる8番ホールでも「フェードの方がイメージができる」と持ち球を変えても、御殿場とは好相性のようだ。
痛みに耐えての強行出場だが、それには理由がある。今大会を終えた時点でも賞金ランキング1位には米ツアー最終予選会の出場資格が付与されるからだ。現在、木下は同ランキング3位(7999万595円)に位置しており、首位の平田憲聖との差は2733万6684円。今大会の優勝賞金額は4000万であることから、逆転は十分可能。「今週終わって1位がファイナル(最終予選会)に行けるので、それをしっかり頭に入れながら乗り込んできました」。
このタイミングでの、股関節痛は“逆風”かもしれないが、痛みを跳ねのけるほど気合が入る木下。「痛みと付き合いながら頑張りたい」。逆転の賞金ランク1位へ、その思いは熱い。(文・齊藤啓介)
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