合格おめでとう! 自信と誇りを持ってプロゴルファー生活を送ってください【原田香里のゴルフ未来会議】
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。先週、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)最終プロテストが終わりました。合格したみなさん、おめでとうございます。コラムを読んでいらっしゃるみなさんのなかにも気にしていらした方がたくさんいらっしゃると思うのですが、今年からスコア速報が始まったので、私もドキドキしながら見ていました。
普通のツアー競技よりも、リーダーボードをスクロールするときにドキドキしちゃうのは、自分が受けたずいぶん昔のプロテストのことや、JLPGA理事時代に見てきたたくさんの選手たちの悲喜こもごもを思い出すからなのかもしれません。
日本オープンが行われたこともある大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)は、海からの風が吹くと難易度が増し、プロテストの舞台としてはなかなかタフなコースです。トップ合格の寺岡沙弥香さんのトータル10アンダーは、“素晴らしい”の一言に尽きます。ただ、72ホールを終えてアンダーパーだったのは11人で、20位タイまでの合格ライン(今年は19位タイまでの26人が合格)のスコアがトータル4オーバー。この数字を見ても、やはり難しかったのだな、ということがよくわかります。
どのステージにいても、ゴルフはメンタルの部分が強いと言われるスポーツです。そのなかでも、合否がはっきりしているプロテストは特別にメンタルの強さが必要なのかな、と感じます。
調子が悪いと、メンタルはよりネガティブになりがちですし、調子がよければ、多少のことは乗り越えられるくらいポジティブになるのが人間というものではないでしょうか。プロテストという厳しいサバイバルを勝ち抜くには、そこに照準を合わせて、メンタルも上向きになれるくらいに調子を整える必要があるのでしょう。
理事時代に、何度もプロテストを担当し、さまざまな選手たちの姿を目の当たりにしてきました。合格できずに泣いている子を見てもらい泣きしてしまい、合格した子を祝福しては一緒に喜んできたことを思い出します。ドキドキしながらスコア速報を見ているときには、心のどこかにそのシーンがよぎっているのかもしれません。
プロテスト合格は20位タイまで。厳しいのでは? という声をよく耳にします。確かに厳しいと思いますが、それはいつの時代でも同じだと思います。合格した選手たちがこの世界に飛び込んできて、さらに厳しい戦いの場で戦うのです。『戦う』と表現しましたが、お仕事としてのゴルフが始まるのです。
好きなことを仕事にできる私たちは、ある意味、幸せなのかもしれません。ただ、合格してもお金を稼げる保証はなく、トーナメントで活躍するにはさらに努力を続けることが必要です。活躍すれば、スポンサー契約などしていただける可能性も出てきます。
ほかのプロスポーツと違い『プロゴルファー』という職業は一生のものです。トーナメント活動を離れても、ほかにも活動の場はたくさんあります。本人が「辞めた」と言わない限り『元プロゴルファー』にはならないのです。そのことが苦しくなることもあるかもしれません。けれども、プロテストに合格したことを誇りに思い、自信を持ってこれから活動して欲しいと思います。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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