大目標は五輪に米ツアー 吉田鈴がスーツ姿で語った“感謝”と“決意”「プロになってから3年以内が大事」
スーツ姿で受け取った日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)入会の認定書が、さらに襟を正そうという気持ちにさせた。4度目の受験で11月1日まで行われていたプロテストを通過した吉田鈴には、「やっとプロになれた」という感慨と、「もっともっと頑張らないといけないと思った」という思いが混在している。
最終ラウンドを終えた後は、LINE、インスタグラム合わせて100件以上来たというメッセージに、1時間以上をかけてお礼の返信。合格決定直後には姉の優利ともやり取りするなど、祝福の嵐を受けた。そこからも「うれしすぎて寝られませんでした(笑)」と長い夜を過ごしたようだ。
しかし「1日くらいは休んで」と息を抜くのは、ほんの少しだけ。この後は19日から始まる1次QTへの準備を進めていく。『ゴルフ以外でやりたいことは?』と聞かれても、「ないですね。こういうコース(最終テスト会場の大洗ゴルフ倶楽部)だと弱点も見えてくるので、もっと頑張らないとなって思っちゃいました」と、ゴルフ漬けの日々は変わらないようだ。
その根底には、こんな考えがある。「合格はうれしいけど、『これからだよ』ということも言われるし、プロになってから3年以内が大事だと思う。アスリートは短命ですし、20代もすぐに過ぎていく。QTで来年の結果も決まるので、気を抜かずにいきたいです」。アマチュア時代からプロツアーへの出場を重ねてきたこともあり、知っているコースも多い。そんなアドバンテージも生かし、“ルーキーイヤーでの優勝”へ向けてスタートダッシュを切りたい。
プロになったことで、「オリンピックに出たいなとか、アメリカツアーにも挑戦してみたいというのは、ぼんやり考えていました。その道筋も立てたい」という次なる目標にも挑むことができる。ここからは“ハタチの誓い”を現実のものにする時間に入る。
ここまでの道のりは「長かった」と感じる。ただ、こんな思いを強める時間でもあった。「もっともっと苦労している人もいる。私は環境に恵まれていました。周りの人や、試合に出させてもらえていた感謝の気持ちが強くなりました」。ここからは今回のテストで「弱点」と感じた対応力、修正力に磨きをかけていく。(文・間宮輝憲)
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