最後は地元大会に出場を懇願 メジャー2勝のB・リンシコムがツアーから撤退
米国女子ツアーを代表するロングヒッターで、2人の娘をもつ39歳のブリタニー・リンシコム(米国)が競技ゴルフからの撤退を発表した。地元フロリダ州で開催される「ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン」(11月14〜17日)が最後の大会となる。
2009、15年とメジャー大会の「シェブロン選手権」(当時はクラフトナビスコ選手権、ANAインスピレーション)を制し、ツアー通算8勝を挙げている。
平均飛距離は270ヤード超えが当たり前で、18年には男子のPGAツアー「バーバゾル選手権」にも挑戦し、予選通過には至らなかったが、第2ラウンドでは「71」の1アンダーをマークした。
「これは引退の発表ではない」とリンシコム。15年にディワルド・ゴース氏と結婚。19年に長女エメリーちゃん、22年には次女のソフィアちゃんが誕生し、ママさんプロとして子供たちを帯同しながらツアー生活を続けてきた。
「長女が5歳になって8月から幼稚園に通い始めた。最初の2週間は幼稚園でランチのボランティア活動をした。今は自分の夢を追いかけるより、自宅にいて家族と過ごすときだと思う」という思いから決断したという。
明るく朗らかな性格でリンシコムは選手から最も慕われている選手の一人。今季はここまで15試合に出場し予選通過は4大会のみ。出場権のなかったザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカンには自筆でスポンサー推薦での出場を懇願する手紙を送った。「承諾の電話を受け取ったとき、涙がこぼれた」という。
同大会が開催されるのはフロリダ半島の西海岸で、開催地からすぐのセントピータースバーグはリンシコムの地元で最高の舞台が整った。歴代チャンピオンとしてシェブロン選手権などの出場権を持つリンシコムの姿はまた見られる可能性もあるが、ツアーへのフル参戦は終了となる。(文・武川玲子=米国在住)
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