初日94位から“合格圏内”まで急上昇 21歳・西澤歩未の刺激はレギュラー初Vの後輩「私もできるぞ」
<JLPGA最終プロテスト 3日目◇31日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72>
会場の大洗ゴルフ倶楽部で週に2~3日、キャディのアルバイトをしながら腕を磨く21歳の西澤歩未が、初日の94位から巻き返し、合格圏内のトータル2オーバー・18位タイまで順位を上げてきた。茨城・明秀日立高で1年後輩だった佐藤心結のツアー初優勝も刺激に合格を目指す。
「コースを知っているからこそ難しい部分もあるんですけど、有利だと言い聞かせて回っています」。初日はその難しさが出たのか、「80」を叩いて大きく出遅れた。それでも「毎日2つずつスコアを取り戻そう」と気持ちを切り替えて臨んだ2日目は目標通りの「70」をマーク。59位まで順位を上げると、この日は「68」を叩き出し、合格圏内に浮上した。
「普段の練習で調子がいいなと思っても、ここで60台はなかなか出せないので、きょうはいいラウンドでした」。スタート直後の11番でダブルボギーを叩くなど、苦しんだホールもあったが「きょうはパターが入ってくれました」と8バーディを量産した。
出身は神奈川県川崎市だが、ゴルフ部総監督の石井貢氏を慕って、高校は茨城の明秀日立を選んだ。石井氏は長年、水城高の監督を務め、数々の名選手を輩出。「今でも高校時代からお世話になっている練習場を使わせてもらっているので、そこでお会いした時に活を入れてもらっています。片山晋呉さんの昔の話はもう4~5回は聞きました(笑)」。
団体戦をともに戦った2年先輩の高久みなみ、1年後輩の佐藤、小暮千広はすでにプロテストに合格。佐藤はレギュラーツアーで初優勝を飾ったばかりだ。「心結の優勝はすごくうれしかったですし、励みになりました。先輩や後輩の活躍を見て、私もできるぞという気持ちにさせてもらっています」。知り尽くしたコースでの最終プロテストというチャンスを逃がすわけにはいかない。
青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が石井氏の教え子という縁で、オフには毎年、2人と練習ラウンドの機会がある。「大西コーチも瀬令奈さんもすごく気に掛けてくださって、考え方や何を練習するべきかを教えてもらっています」。現在は特定のコーチについておらず、こうした周囲のアドバイスを生かして、練習に励んできた。
「スコアを考えると緊張しちゃうので、一つひとつ全力でやって、結果がついてきたらいいなと思います」。今回が3度目の最終プロテスト進出。最終日もさらにスコアを伸ばすことができれば、合格の2文字がはっきりと見えてくる。(文・田中宏治)
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