顔と名前を覚えて! ウィチャネ・ミーチャイの“世界に一着”名前入りウエア【カメラマン南しずかの米ツアー小話】
畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、今季からは西郷真央らが新たにメンバー入りし、日本勢9人が出場している米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のおもしろ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?
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ウィチャネ・ミーチャイ(タイ)は、自身の“名前入りのウエア”を持っている。『WICHANEE(ウィチャネ)』という名前に加え、腰のあたりに描かれている『JAN』はミーチャイのニックネームだ。
様々なゴルフウエアがあるが、名前がデザインされたウエアは珍しい。スポンサーが特別に作ってくれたというこの一着は、ミーチャイのお気に入りだ。
そこで、今年6月「全米女子オープン」最終日、このウエアを勝負服に選んだ。大会3日目を終えて首位タイ。米ツアー9年目の31歳にとって、ツアー初優勝の機会が巡ってきた。メジャー最終日に優勝争いをすれば、必然的に大会の主役にもなる。
「(ゴルフファンは)私のことを知らないだろうから、名前を覚えてもらうのにいい機会だと思って」
実は、同じタイ出身で元世界ランキング1位のアリヤ・ジュタヌガーンとは、体型が似ていることから、トーナメント会場で間違われることもしばしば。こんなこともあった。『アリヤさんに会えてうれしい!一緒に写真を撮ってもらっていいですか?』。観客から求められたことで“人違いです”と言い出せず、“アリヤ”として笑顔で写真に収まった。なんというか、ミーチャイは心優しいのである。
結果、全米女子オープンの最終日はスコアを落とし、6位タイでフィニッシュした。優勝には届かなかったものの、年間ポイントランキングは急上昇し、日本開催の米女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」の出場にもつながった。
「今回のアジアシリーズにはそのウエアを持ってきてない」ということだが、たとえ名前なしのウエアでも、現地で観戦される方は『ミーチャイ!』と応援してみてはどうだろうか。観客の応援は選手のモチベーションになるはずだ。(取材・文/南しずか)
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