米ツアー初出場の杉浦悠太がトップ10入り メキシコ戦への出場は熟考「目標は賞金王」
<ZOZOチャンピオンシップ 最終日◇27日◇アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70>
米国男子ツアー初出場の杉浦悠太が、最終日にボギーなしの6バーディを奪い「64」をマーク。日本勢トップのトータル13アンダー・6位タイで4日間を戦い終えた。
最終18番パー5では緊張が走った。「ティショットが林の中に入ってしまった」と3番ウッドで放ったボールが左の林へ。すぐにバーディは諦めて、「しっかりパーで終われるように」と目標を修正した。
18番ホールにレイアップした場合、3打目が200ヤード以上残ってしまう。そこで杉浦がターゲットにしたのは“隣接ホール”だった。「(隣の)9番に打てば、150ヤード前後が残るんじゃないか」。3打目をグリーンに乗せられる確率が高い9番のフェウェイへボールを出した。
少し打ちすぎてしまい、フェアウェイを越えてラフまで行ってしまったが、「距離的にも狙えますし、アングル的にも悪くなかった」と、グリーンまで165ヤードの3打目を9番アイアンでしっかり放ち、ホール間の木を越えてグリーンに着弾。奥のラフまでこぼれて、およそ15ヤードのアプローチを残した。
最後のアプローチは「普通に打って大丈夫なのか、少し(ラフに)食われるのか。本当に微妙なところ」。ボールは芝で隠れ、ピンまでの距離は短く、グリーンは速い。一打のミスにより、トップ10外にはじき出されてもおかしくなかった。「緊張はしたんですけど、1メートル以内に寄って安心しました」とエッジ先に落としてカ50センチ弱に寄せて、ワンパットのパー。杉浦はホッとしたような笑顔を見せると、ギャラリーに向かって会釈をした。
18番ではこんな裏話もあった。杉浦が9番に向かって打ち、3打目の位置に向かっていたとき、インスタートの松山英樹が9番をプレー中だった。「ギャラリーがすごいなって思いました」。松山の組が2打目を打ち終わるまで、大勢のファンに紛れ込んでプレーを観戦。「一瞬ギャラリーになっていました(笑)」と報道陣の笑いを誘った。
今大会でトップ10に入ったことで、2週間後にメキシコで行われる米ツアー「ワールドワイド・テクノロジー選手権」の出場権を獲得。ただ「日本ツアーの賞金ランキングとかもあるので…」とメキシコ戦への出場は慎重にならざるを得ない。
現在の賞金ランキングは6位。1位の平田憲聖とは約4700万円差だ。ここからは高額賞金大会が続くとあって、「まだ可能性はあると思っているんです。賞金王を目標としてやってきたので、達成したい気持ちはある」と心境を明かした。海外での舞台に「行きたい気持ちはもちろんあります。せっかく自分で手に入れた権利なので、行くと決めればもちろん頑張ります」と熟考して結論を出すつもりだ。
今大会には今季メジャー2冠で世界ランキング2位のザンダー・シェウフェレ、同4位のコリン・モリカワ(ともに米国)など、世界のトッププレイヤーが参戦。この厚いフィールドで上位フィニッシュできたことは「すごく自信になります。少し(右ヒジ痛で)休憩している時期もありましたが、ここで復活することができた。本当に自信になります」と達成感であふれている。
賞金王に向けてラストスパートをかける23歳。勝負の秋はこれからだ。(文・高木彩音)
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