カフェインでチュー夜逆転!? 【馬場典子 コラムNEWS箸休め】
皆さんは、コーヒーや紅茶、エナジードリンクで眠れなくなることはありますか? 25年ほど茶道を嗜(たしな)んでいるのですが、ちょっとした悩みがあります。甘いものが少ししか食べられないことと、カフェインに弱いことです。
カフェインといえばコーヒーが真っ先に思い浮かぶと思いますが、実は抹茶もなかなか。祇園辻利さんのサイトによると、薄茶(うすちゃ)は1杯の量が他の飲料より少ないにもかかわらず64mg。コーヒー1杯は約40mg。抹茶は粉末にした茶葉を溶かしてそのまま飲むため、同じ茶葉でも、抽出する煎茶(20mg)や紅茶(30mg)の2〜3倍になります。
一般的に飲まれる抹茶は、薄茶と呼ばれる比較的軽めのお茶。一方、濃茶(こいちゃ)という、お抹茶を少量のお湯で練って香りとツヤを出し、その後お湯を少し加えてとろりとした状態にするものがあります。濃茶は粉末の量が1匁(もんめ)(約3.75g)ほどなので(薄茶は2g)単純計算で120mg! アメリカでは1日当たり400mg(コーヒー4〜5杯)までであれば健康への危険な悪影響はないとされているそうですが(妊婦や授乳婦などは除く)、もちろん個人差があり、甘味料同様、私は許容量が少ないようです。
コーヒーの香りも味も好きですが、1杯も飲みきれず、頭がクラクラしてきます。ちなみにウーロン茶(20mg)を飲みすぎて(ペアリングした生ハムの塩気を薄めるために)、二日酔いみたいになったこともあります。
普段のお稽古は夜だからか、濃茶をいただくとその晩眠れなくなってしまうのです。先日は、翌朝ゴルフのために運転をしなくてはならないのに、文字通り一睡もできませんでした。ディナーでの紅茶は問題ないのに。何とかならないものかと思っていたところ、興味深い記事を目にしました。
カフェインと甘味料を加えた水を与えたマウスの体内時計が乱れたという研究成果。カフェインには眠気を覚ます効果があることは知られていましたが、体内時計への影響はよく分かっていなかったそうです。
今回、エスプレッソの半分の濃度のカフェイン水、甘味料も加えたカフェイン水、通常の水|の3種類をグループ分けしたマウスに1週間以上飲ませたところ、甘いカフェイン水のグループだけ、本来24時間である1日のリズムが26〜30時間周期に乱れ、昼夜逆転に陥るケースもあったとのこと。摂取をやめると元のリズムに戻ったそうです。
カフェインと甘味料には、覚醒に関わる脳内物質ドーパミンの分泌を活性化させる働きがあるため、何らかの相乗効果が生じている可能性があり、甘いカフェイン飲料をいつ飲むのがいいのか、詳細な検討が必要だと指摘されたそうです。
抹茶は甘味料がなくても甘味を感じますし、一緒にお茶菓子をいただきます。さらに研究が進めば、私の悩みも解決する日が来るのでしょうか。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 43からの転載】
ばば・のりこ 東京都出身。早稲田大学商学部卒業。1997年日本テレビに入社し、情報・バラエティー・スポーツ・料理まで局を代表する数々の番組を担当。2014年7月からフリーアナウンサーとして、テレビ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーションなど幅広く活動中。大阪芸術大学放送学科教授も務める。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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