ホロライブのカバー社が下請法違反 無償で243回のやり直し、1年7カ月の支払い遅延も
10月25日、公正取引委員会は、VTuberグループ「ホロライブ」などを運営するカバー株式会社に対し、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)に違反する行為が認められたとして、勧告および指導をおこなったことを発表しました。
ホロライブのカバー社が下請法違反
発表によると、カバー社は、2022年4月から2023年12月の間、イラストや2D・3Dモデルなどの制作を委託している複数の下請事業者に対し、受領後にもかかわらず無償での修正作業を求めていたとのこと。修正は、発注書などで示された仕様からは想定できない内容で、下請事業者23名に対し、やり直し要求は合計243回にわたったとされています。また、支払いの遅延も発生しており、場合によっては納品から619日後に下請代金が支払われるケースもありました。下請け業者のうち8割がフリーランスのクリエイターだったということです。
具体的な事例として3例が報告されています。
事例1:2022年4月、下請事業者に2Dモデルの作成を発注。受領したあと、無償のやり直しを7回要求し、そのうち3回は検査期間(納入後7営業日以内)を過ぎてからのものでした。また、そのうち2回は「制作完了」の通知後に要求されていました。下請代金の支払いは納品から619日後となりました。
事例2:2022年10月、下請事業者に2Dモデルを発注。受領後、検査期間(納入後5日以内)を過ぎてから無償のやり直しを5回要求し、「社内、タレント共に全ての確認が完了」したという通知は納品から277日後、下請代金の支払いは312日後でした。
事例3:2023年1月、下請事業者に2Dモデルを発注。受領後、無償のやり直しを3回要求し、そのうち2回は検査期間を過ぎてからのものでした。同モデルは2023年4月頃から既に配信に使用されていましたが、「納品完了」の通知は納品から230日後、下請代金の支払いは266日後でした。
支払いの遅延については、2022年7月から2024年2月までの間、下請事業者29名に対して代金の支払遅延を行い、その結果、遅延利息として総額115万2642円が発生したとのこと。同社は2024年9月17日までに遅延利息を支払ったと報告されています。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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