南イタリア・シチリア伝統の「モディカ・チョコレート」は不思議な食感!?
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イタリア在住のデノーラさんのオススメは、シチリア島・モディカという町のチョコレート。チョコといえば、口の中に広がるカカオの味と香り、なめらかな口どけが特徴ですが、このチョコは常識を覆す不思議な食感なんだとか。
イチオシスト:デノーラ 砂和子
慶應義塾大学卒業。(株)リクルートを経てイタリアへ。ローマに10年、現在はシチリア州の州都パレルモ在住。
編集・制作の豊富な経験からイタリア・シチリア特集の企画執筆、WEB連載のほか、コーディネーターとしての実績も多数。現地通訳もおまかせ下さい!
国際ジャーナリスト協会会員・イタリア商工会議所認定通訳。
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砂糖のつぶつぶが残る伝統モディカ・チョコレート
イタリア最南端、地中海に浮かぶシチリア島の伝統のチョコレートをご存知ですか? その名は、「モディカ・チョコレート」。 カカオ・砂糖・スパイスのみを使い、アステカ帝国由来の伝統製法で作るチョコレートで、な~んと口の中で溶けない!? ジャリジャリ噛み砕くような不思議な食感です。そんな、遠いシチリアの名産品のチョコレートが実は日本でも手に入るんです。
歴史あるモディカ・チョコレート
シチリア島南東に位置するモディカは、世界遺産「後期バロック様式の町々」のひとつ
南イタリアのシチリア島は、四国よりひと回り大きい地中海最大の島。地中海のほぼ真ん中に位置する豊穣な島は、列強国の支配にさらされながらも東西文明の十字路として、長きに渡り栄えてきた歴史があります。
スペイン帝国に支配されていた16世紀、アステカ帝国を征したコルテスが戦利品として持ち帰ったカカオは、「神の食べ物」としてスペイン王やシチリア・ナポリ王に献上され、特権階級の嗜好品としてヨーロッパ各地に広まっていきました。当時のスペイン領シチリア島も例外ではなく、島の南東に位置するモディカという町にも広まりました。
特徴は衝撃的な食感
100年後には北イタリアのトリノで広まり、19世紀初頭にはオランダでカカオバターの抽出方法が発見されます。いわゆる“口どけ”には、このカカオバターの存在が欠かせませんが、モディカではカカオバターが発見される前、つまりアステカ帝国由来の製法を今も受け継いでいます。その製法とは、石の臼で擦ったカカオに、砂糖とスパイスを加えて低温で作るもので、溶けきらない砂糖の粒が残り、口に入れるとフワッと溶けるどころかジャーリジャリ……。初めて食べたときの衝撃は、今も忘れられません!
そんなモディカ・チョコレート、今では町の名産品のひとつとなっています。
シチリア・モディカの名店「ボナユート」のチョコレートを日本で!
モディカ旧市街に店を構えるボナユート本店
現地・モディカには、モディカ・チョコレート専門店が軒を連ねています。なかでも有名なのが老舗の「ボナユート」。日本から買いに来るマニアもいるほどの人気店ですが、実は一部の商品は日本でも購入可能。
ボナユートの板チョコシリーズは、塩・しょうが・白胡椒など怒涛の20種類以上で展開しています。全部お試しした結果、もっともシンプルにおいしい!と感じたのはオレンジでした。
わざわざ遠いシチリアに行かずとも味わえる伝統の味。ジャリジャリと噛み砕くと、口の中に広がる濃厚なカカオの香りとシチリアン・オレンジの爽やかなフレーバー。「チョコレートなのに!?」という先入観との戦いの先には、初めての感覚が……。不思議な食感を体験してみては?
DATA
アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート┃古代チョコレート オレンジ
容量:50g
■ボナイユートのモディカチョコレートへのよくある質問
ボナイユートのモディカチョコレートについて、よく検索されている事柄を編集部で調べて、Q&A形式でまとめました。Q:成城石井でボナイユートのモディカチョコレートは買える? カルディはどう?
A:成城石井でボナイユート、そしてそれ以外のメーカーのものでもモディカチョコレートが買えるか調べましたが、2024年1月中旬現在、オンラインストアではページがありませんでした。カルディについても同様でした。なかなかめずらしいようで、もし店頭で見かけることがあればラッキーでしょう。ただ2023年はカカオ商社が主催する『東京チョコレートサロン』でボナイユートの出店があったようで、食べる機会を手に入れた人の情報もありました。今後よりメジャーになっていくかもしれませんね。またボナイユート、ボナユートと店舗名に人によって表記ゆれがあり、検索が難しいかもしれません。どちらのワードでも調べてみることをおすすめします。
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