【親の老後】相続や認知症問題どうする?9割が「先に話し合っておくべき」と回答
【編集部注目の記事】イチオシ編集部が、今注目の記事をピックアップして紹介するシリーズ。今回注目したのはみなとアセットマネジメント株式会社が調査した「親の老後問題」についてです。よい老後を過ごすためにも、住まいやお金、相続について話しておくべきこととは?
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【親の老後】事前に話し合いはしてる? 話しておくべきポイントとは
親の「老後問題」どう考える?
みなとアセットマネジメント株式会社(本社所在地:東京都港区、代表取締役:向井 啓和)は、全国の40代~60代男女(親がご存命の方)を対象に、「親の老後の準備」に関する調査を実施しました。
1年前と比較する、この年末年始は実家に帰省したという方も多いと思います。
久々に両親と一緒の時間を過ごし、その姿を直接見ることができて安心したという方もいるでしょう。
一方で、高齢になった親の将来について、不安や心配が募っている方も少なくないのではないでしょうか。
みなさんは、親の老後(将来)についてきちんと話し合っていますか?
なかなか話し合う機会がない方、既に話し合ってすり合わせをしている方など様々かと思いますが、親の老後に関して、どのようなことを話し合っておくべきなのでしょうか。
押さえておくべきポイントが分かれば、話し合いもしやすくなりますよね。
そこで今回、『マイホームだけは守らナイト』(https://myhome-dkw.jp/)を運営するみなとアセットマネジメント株式会社は、全国の40代~60代男女(親がご存命の方)を対象に、「親の老後の準備」に関する調査を実施しました。
出典:PRTIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000039606.html)
【親の老後(将来)について】親と話し合いができていない方も多い
はじめに、親との老後の話し合いに関して伺っていきたいと思います。
画像出典:PRTIMES
「親の老後(将来)に関して、親と直接話し合いができていますか?」と質問したところ、『多少はできている(36.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『あまりできていない(32.7%)』『全くできていない(17.8%)』『しっかりとできている(13.2%)』と続きました。
家族間でのコミュニケーションの取り方はそれぞれかと思います。
何事もざっくばらんに話せる家族もあれば、消極的であまりお互いの事に関心がない家族もあるでしょう。
老後の話となるとデリケートな部分にも触れるため、普段の家族との接し方によって話ができている方、そうでない方が分かれるのかもしれません。
【話し合っている方】どんなことを話し合っている?意見に食い違いは…?
親の老後に関して話し合っている方と話し合っていない方は同じくらいの割合でしたが、『しっかりとできている』『多少はできている』と回答した方は、どのような内容の話し合いをされているのでしょうか。
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そこで、「親の老後(将来)に関して、どのようなことについて話し合っていますか?(複数回答可)」と質問したところ、『亡くなった際の葬儀について(52.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『住まいについて(自宅に住み続ける、特養ホームに入るなど)(48.3%)』『要介護者となった際の介護について(46.9%)』『お金について(老後資金)(41.6%)』『相続について(遺産、保険など)(36.6%)』と続きました。
介護や相続など、たくさんの判断と手続きが必要になってきます。
いざその時がやって来た際に、スムーズに物事を進めることができるよう、十分な話し合いが必要なのかもしれません。
特に住まい、お金、相続という大きな問題についてはお互いに納得するまで話し合い、揉めることがないようにしておきたいですが、意見の食い違いなどはあったのでしょうか。
前回の質問で、『住まいについて』『お金について』『相続について』と回答した方に、「住まい、お金、相続について、ご自身と親とで意見の食い違いはありますか?」と質問したところ、『大いにある(1.7%)』『ある程度ある(17.8%)』『あまりない(57.4%)』『全くない(23.1%)』と回答しました。
老後の話としては避けては通れない内容なので、話題に出すのも勇気がいる方もいるかもしれません。
しかし、残された人たちが揉めたりトラブルになったりすることを避けるためにも、意見のすり合わせは必要のように思います。
では具体的に食い違った事とはどのようなことでしょうか。
■老後の話し合いで意見が食い違っていることとは
・一緒に暮らしたいが親は嫌がる(40代/女性/パート・アルバイト)
・相続に関して、兄弟で揉めないように遺言書を書いてほしいが書いてくれない(40代/男性/会社員(正社員))
・そろそろ自動車の運転をやめてほしいが、まだ大丈夫と言って運転している(50代/男性/会社員(正社員))
・認知症になっていて、一人暮らしが難しくなってきているにも関わらず、本人はその危険性を認知できず施設に入るのを嫌がっている(60代/女性/専業主婦)
などの回答が寄せられました。
話し合わなければお互いの気持ちも分からず、後々苦労することもあるかもしれません。
話が食い違っていたとしても、お互いの意見を知るきっかけにもなるので、親が元気なうちに話し合うことでお互い納得のいく結果が出てくるのではないでしょうか。
【話し合っている方】揉めることもあるけれど、早めに話し合っておいて正解だった!
親の老後についての話し合いは、お互いの意見の食い違いによって揉めることもあることが分かりました。
話し合う前は、お互いに思っていることが分からずモヤモヤとした気持ちがあるかと思いますが、話し合い後、不安や心配は払拭できたのでしょうか。
画像出典:PRTIMES
そこで、「話し合いによって親の老後(将来)に関する不安や心配は払拭できましたか?」と質問したところ、7割の方が『全て払拭できた(16.1%)』『ある程度は払拭できた(今後さらに話し合いの余地はある)(54.7%)』と回答しました。
多くの方が、話し合うことによって老後の不安や心配ごとがクリアになっており、手間やトラブルを回避することにも繋がるように思えます。
日本人の健康寿命は年々伸びてはいますが、必ずしもこの年齢まで健康でいられるとは限りません。
まだ元気だからと先延ばしにせず早めの話し合いは有効なのではないでしょうか。
そこで、「親の老後(将来)に関して、早めに話し合っておいた方がいいと思いますか?」と質問したところ、9割以上の方が『とてもそう思う(51.3%)』『ややそう思う(43.7%)』と回答しました。
早めに話し合うことで、老後についての話し合いに十分な時間を使えたり、老後の選択肢を広げるための準備も十分にできたりと、メリットが多いように思います。
では、実際に早めに老後の話し合いをした方が良い理由とは何でしょうか。
■老後の話し合いを早めにしておいた方が良い理由
・早くから話し合うことで修正もしていきやすい。普段から老後についてみんなが考えることができる(40代/女性/会社員)
・納得がいくまで話し合っておかないと、いざその時がきたときに何から始めたら良いか戸惑ってしまうと思うから(40代/女性/パート・アルバイト)
・ある程度の心の準備はしておくべきだと思うので、そのためにも話をしておくことは大切だと考える(50代/男性/自営業・自由業)
・親がまだ元気で認知症などにならないうちに、お金の問題や介護の問題、相続の問題をきちんと話しておかないと、あとあともめる原因になる(50代/女性/自営業・自由業)
などの回答が寄せられました。
必要に迫られてバタバタと決めてしまい後々後悔するより、老後についての話し合いを早めにすることで納得がいくまで修正し、決定できるというメリットがあるようです。
【話し合っていない方】話したくても話せない?不安なこととは?
ここからは、親の老後について話し合いができない理由と、認知症になった場合の問題点等を伺っていきたいと思います。
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「親の老後(将来)に関して、親と話し合いができていない理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『気を使ってしまい聞きづらいから(30.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『親が元気なのでまだ早いと感じるから(24.7%)』『親の老後や死などについて考えたくないから(24.3%)』と続きました。
元気なうちに老後の話をするのは親の機嫌を損ねてしまうのではないかといった気遣いをしているようです。 また、今は元気だからと後回しにしてしまっている様子も窺えます。
しかし、話し合いができないまま意思能力がないとみなされてしまう認知症になると、思わぬ問題が起きてしまうこともあります。
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そこで、「認知症などで“意思能力”がなくなった場合、家を売却できなくなることをご存じですか?」と質問したところ、7割の方が『知らない(70.4%)』と回答しました。
家を売却する際には家主や不動産会社の担当のほか、司法書士が立ち会って手続きが進められます。
この時、売主つまり親の意思が司法書士によって確認されるのですが、司法書士が意思能力がないと判断した場合には売却できなくなります。
親が家の売却ができなくなってしまうと、その後の家や土地の処分に困ってしまいます。
こうなった時、実は認知症になっていても家を売却して資金調達する方法があるのですが、知られているのでしょうか。
そこで、「認知症でも自宅を使って資金調達できる方法があることをご存じですか?」と質問したところ、9割近くの方が『知らない(89.7%)』と回答しました。
認知症でも成年後見制度を使えば、老人ホーム入居金を得るためなどの手段として、自宅を売却できる場合があります。
その他に、認知症になる前であれば、『リースバック』を活用できる場合もあります。
リースバックとは、自宅や店舗、自社ビルなどを売却後、そのままの状態で継続して使用できる不動産売却の方法で、売却と同時に賃貸契約を締結します。
売主は自宅などを売却しても、契約期間中は家賃を支払い、今まで通り住み続けたり、使用し続けたりすることができます。
日頃から老後について話し合いをしておくことで、認知症になった時の対策や調べる機会ができ、資金調達できる方法を知るきっかけとなるのではないでしょうか。
よい老後を過ごすためにも、住まいやお金、相続について親子で話し合っておきましょう
今回の調査で、親の老後(将来)について話し合いができている方、できていない方の実態が見えてきました。
話し合いができている方は、『亡くなった際の葬儀』『住まい』『要介護者となった際の介護』などを話し合っているものの、それ以外の事については、自分と親とで意見の食い違いもあって、なかなか不安や心配が払拭できないという方も少なくない様子が窺えます。 それでも、早い段階で話し合っておくことが大切だと考えている方は多いようです。
親が認知症などによって意思能力がなくなった場合、家を売ることが難しくなります。 しかし、そのことをご存じない方も多数いるのが実情で、親が認知症だからといって勝手に家を売却すると、訴訟問題など様々なトラブルに発展してしまう可能性があります。
親はかけがえのない大切な存在です。
じっくりとその将来について話し合い、不安を払拭しておきましょう。
■調査概要:「親の老後の準備」に関する調査
【調査期間】2022年1月12日(水)~2022年1月13日(木)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,017人
【調査対象】全国の40代~60代男女(親がご存命の方)
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
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