モンベル「ストームクルーザー」は高品質でミラクル安い!10年以上愛用する理由
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モンベルの「ストームクルーザー」は2万円台で買える登山用レインウェアとして長年愛される名品です。元登山店店員のロングトレイルハイカーであるYouTuberたかくらやさんも「ストームクルーザー ジャケット Men's」を10年以上愛用し、「名品中の名品、良いものが安い」と高評価。サイズ感やデザイン、機能性・構造のポイント、防水・撥水の違い、ゴアテックスの解説などを動画情報から抜粋してまとめました。
イチオシスト:ハイカーたかくら
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■モンベル「ストームクルーザー」は10年以上愛用する“名品雨具”
元登山店店員で登山歴16年のロングトレイルハイカー、そしてアウトドアギアマニアのYouTuber「登山キャンプ ‖ たかくらや」こと、ハイカーたかくらさん。
今回は、たかくらさんの動画情報から「学生時代からお世話になっている」というアウトドアウェア「ストームクルーザー」について詳しくお伝えします。
※以下は、登山キャンプ ‖ たかくらやさんの動画を文字おこしして再編集しています。
登山キャンプ ‖ たかくらやさんのYouTubeアカウントはコチラ!
「こんにちは。元登山店店員でハイカーのたかくらです。今回お話しさせていただくウェアは、持っている方も多いんじゃないでしょうか。The standard、定番中の定番、そして伝説の逸品、モンベルの『ストームクルーザー』について紹介いたします。
せっかくですので、今回はここがスゴいよ! モンベル『ストームクルーザー』というテーマでお話ししていきたいと思います。
10年以上愛用し続けている理由、Gore-Tex(ゴアテックス)の復習。ここを理解することで長く使うことができるし、凄さがわかる。この高品質っぷりでこの価格、すごいです。ミラクル安いと思います。
さらに、防水と撥水の違いですとか、透湿との関係性、撥水は速乾にも関係してきている、というような話もしていきたいと思います」(たかくらさん)。
モンベル「ストームクルーザー」とは?
まずは、たかくらさんが愛用するモンベル「ストームクルーザー」についての情報をまとめます。
mont-bell(モンベル)「ストームクルーザー」は、1982年の誕生からモデルチェンジなどの進化を続け、性能も向上しているレインウェアです。改良に改良を重ね、現在のモデルは第9世代です。
たかくらさんが紹介する「ストームクルーザー ジャケットMen’s」の仕様は下記の通り。
- 素材:ゴアテックス ファブリクス3レイヤー[表:20デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ]
- 耐水圧50,000mm以上、透湿性35,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)(参考値)
- 平均重量:254g
- カラー:ブラウンサンド、ダークチャコール、ダークティール、マスタード、プライムグリーン、プライマリーブルー、レッド
- サイズ:XS、S、M、L、XL、M-R(ゆったり)、M-W(ゆったり)、L-R(ゆったり)、L-W(ゆったり)
- 収納サイズ:7.5×7.5×15cm
- 特長:K-Mono CUT/ジッパー付きポケット2個(腰)/スマートソーイング/ネームタグ付き/スタッフバッグ付き
- 機能:トライアクスルフード/ロールアップフード/アクアテクト®ジッパー/運動性を高める独自のパターン/アルパインカフ/浸水を防ぐ接着加工/裾の調節機能
モンベル「ストームクルーザー」のサイズ感
たかくらさんが愛用しているのは「ストームクルーザー ジャケットMen’s」。
フード付きタイプのMサイズです。
「私の身長は174センチ体重56キロで、そんなにムキムキではないです。比較的やせ型だと思います。Mサイズを使っていますね。すごく動きやすいです。立体的な動きも行けるので、岩場なんかでもゴリゴリ使えていけます」(たかくらさん)。
ストームクルーザー ジャケットMen’sは、サイズ展開が豊富。XS、S、M、L、XL、M-R(ゆったり)、M-W(ゆったり)、L-R(ゆったり)、L-W(ゆったり)があります。
■ここがスゴいよ! モンベル「ストームクルーザー」の性能・おすすめポイント解説
たかくらさんはモンベル「ストームクルーザー」を10年以上愛用し続けているのだそう。「レインウェアといえばモンベルの『ストーンクルーザー』をずっと使い続けております。この信頼性ですね。モンベル『ストームクルーザー』ここがスゴいよ!というところでお話ししていきますね」とたかくらさん。
「防水」「透湿」「防風」で厳しいアウトドア環境から身を守れる
まずそのレインウェアの重要性を話すたかくらさん。
山のリスクである低体温症は「濡れ」「風」「汗冷え」が原因となります。それを防ぐためにレインウェアのある機能が重要になるのだそうです。
「レインウェアで重要なポイントとして、厳しいアウトドア環境から身を守れることが挙げられます。体温が下がってしまって、自分の体の機能がうまく働かなくなってしまって、危険な状態に陥るのが低体温症。これを防ぐために厳しい環境からの隔離が大切です。
雨に降られて、風に吹かれて、体温が奪われる(濡れ+風→体温の低下)。または、汗が留まってしまって風に吹かれて体温が奪われる(汗冷え)。そういったリスクに備えるために水が入ってこなくて(防水)、内側からの汗・蒸れを逃がす(透湿)。そのためにレインウェアが必要になります。
もうひとつが防風ですね。風が入ってこないようになりますので、やはり厳しい環境・アウトドア環境からの隔離。自分の体を守るという意味でもすごく大切な”殻”になるんですよね」(たかくらさん)。
また、「晴れ予報でも雨具は必携です」とたかくらさん。
「下山していたら雨降ってきちゃいました。今日は1日中天気よかったはずだったんですけど、山の天気はわからないですね。ということで皆さんのレインウェアは常に持ち歩きましょう」。
シンプルな構造ながら、満足いくパフォーマンスが魅力
モンベル「ストームクルーザー」の魅力はデザインや構造にもあるのだとか。
「K-monoカット」という独自のカットパターンが採用されており、ジャケットの縫製箇所を極限まで減らすことで、防水性・軽量性・耐久性を向上しているのだそう。
「ウェアの構造の話をしていきたいと思います。シンプルな作りになっています。縫製箇所も少ないですし、パターンも考え抜かれて作られています。平均重量254g、耐水圧50,000mm、透湿35,000g/㎡・2hrsというところで、パフォーマンスも完璧な逸品となっております」(たかくらさん)。
滑らかな動きの止水ファスナーが随所に使われている
細かな部分にもこだわりの設計がされています。「アクアテクト®ジッパー」と呼ばれる防水性が高いジッパーもそのひとつ。
「滑らかなファスナーの動きで、この部分っていうのは止水ファスナーになってますね。ポケットも止水ファスナーです」
また、ダブルポケットの中にも秘密が。
「ポケットの中に紐が入っているんですよね。これを絞ると、裾が締まります。風が入ってくるのを防げる。そして、カフの部分をしっかりと締められる。手袋と組み合わせて体が濡れないようにすることができます」(たかくらさん)。
フィット感が高く、防風機能のあるフードの形状も魅力
「トライアクスルフード」と呼ばれるフードの部分にも工夫がされており、フィット感の高いデザインになっています。
「フードの形状っていうのもすごく気に入っているポイントです。片手でフードのフィット感を高めることができるようになっています。ぐっと引っ張るとすぼまって、風の影響を防ぐことができるようになっています」(たかくらさん)。
顔の周囲、首回り、ひさしの上下3方向からフィット感を調節でき、悪天候でも視界が確保できます。
色選びは「視認性の高さ」がポイント
モンベル「ストームクルーザー ジャケットMen’s」のカラーは7色(※Mサイズの場合)とバリエーション豊富。迷ったら、視認性の高さを意識するのもおすすめだとか。視認性とは、目で見たときの“認識しやすさ”を指します。
「ウェアの色は好き嫌いをベースに選んでもいいかもしれないですけれども、視認性の高さというのも覚えておきましょう。
パタゴニアの『フーディニ・ジャケット』もよく着るんですけど、(視認性の低い)黒を選んじゃったんですよ。特に自転車乗る時なんかは、視認性高い方がいいよね。っていうところで、黄色とか他人から分かりやすい色を選ぶようにしています」(たかくらさん)。
「ストームクルーザー」は3層構造がスゴイ
モンベル「ストームクルーザー」で特筆すべきなのが3層構造による性能の素晴らしさなんだとか。
「今回紹介している『ストームクルーザー』は3層構造になります。いわゆる3レイヤーになっているってことですよね。3層、3つの膜が組み合わさってできています。
(3層とは、)表地が20デニールの強くてしなやかなナイロン。中間層にゴアテックスメンブレンが入っていて、肌側にGORE®C-ニット™バッカー テクノロジーがあります。
この『GORE®C-ニット™バッカー テクノロジー』というのが軽量性と耐久性を両立した薄いニット素材になっているんですよね。しなやかで柔らかい着心地。
ぜひお近くのショップで一度試着してみてほしいです。“こんなに軽いの、今のレインウェア? これで防水透湿? 最高だなあ”。で、価格を見たら他のブランド・他のメーカーと比べると、“この品質でこの価格!” 驚くと思います。みなさんの山と旅、アウトドアライフを支えてくれると思います。
表地には耐久撥水加工がしてありますので、水をよく弾くようになっています。生地表面にある撥水基という、柱を立たせる熱処理が大変有効です。雨や雪といった水分が浸透してくることを防いで、風も防いでくれる。
なおかつ体側から発生した汗が、気体の状態で水分(液体状態)になってしまうとゴアの穴は通過できないので、気体の状態・水蒸気のような状態で外に出てくれるものになります。これが体をドライに保ってくれる構造です。
ポイントとして覚えておいていただきたいところとしては、汗を水滴状態で体に留めないようにするっていうところです」(たかくらさん)。
ゴアテックスウェアとして「ミラクル級に安い」コスパの良さ!
「ゴアテックスの復習をしたいんですけれども、ゴアテックスというのは防水、つまり、“水が入ってこなくて透湿する膜”のことを言います。実は素材は石だったりするんですけども、そのあたりの細かい話は置いときまして、膜なんですね(中略)。
また、ゴアテックスのウェアって、商品化されるまでにすごくいろんな厳しいテストがあるんですよ。その段階で洗練度が高まっていきますので、素晴らしい山道具となっています」(たかくらさん)
そんなゴアテックス素材を活用したウェアでありながらコスパを叶えているのがスゴイ、と高評価。
「ストームクルーザーのいいところは、十分に軽くて性能も高い。そしてゴアテックスウェアとしてはミラクル級にお安いところなんですよね。自分のようにアウトドア環境によく行く、頻度の高い人にとって、この安さは非常に助かります」(たかくらさん)。
様々なウェアがある中『ストームクルーザー』を選ぶのは、全体的なバランスが自分に合っているからなのだそう。
「いろんなモデルがあるんですよね。ポケットが少なくてより生地が薄い構造のものですとか、いろいろあるんですけれども、自分にとっては『ストームクルーザー』のバランスがいい。このダブルポケットで強さと透湿のバランスが自分の活動に合っているので、このウェアを愛用しています。
周囲のアウトドア環境・自然環境が厳しくなったとしても、体をドライに保って快適な活動を支えてくれる。これがレインウェアであり、そして自分が信頼して使い続けている理由になります」(たかくらさん)。
■「ストームクルーザー」のメンテナンスについて
コスパがよいとはいえ、なるべく長く愛用したいもの。また、ハードな登山で使用し、山でのリスクから守ってくれるウェアは、メンテナンスも重要です。皮脂を染み込ませず、着たらすぐに洗濯! 変色や寿命は?
「洗濯ができるんですけれども。使ったら洗濯して、皮脂ですとか、そういったものが余計長く影響を及ぼさないようにこまめにメンテナンスすることがベターと言われています」とたかくらさん。「こちらのレインウェアは購入して2年くらいで、しばらく海外に行ってた時期はかなり頻度高く着てたんですけれども。かなり変色がすごいんですよね。
で、この肩のところ、ボコボコ浮いてるの分かりますかね? こういうところは若干剥離が始まっちゃってます。やっぱり膜と膜がくっついているので、あまり過度にストレスがかかり続けるとこういった感じで剥離が進んでしまう。
剥離が進み続けると製品として使うことが難しくなってしまいますので、そうならないようにこまめにメンテナンスするのは大切になりますね。
内側は完全にやっぱり変色しちゃっているっていう感じです。皮脂の染み込みもあると思います。ただ、シームテープのはがれとかっていうのはまったくなくて、安定した感じであることがおわかりいただけるかなと思います」(たかくらさん)。
なお、「これは大変イレギュラーな例で、ハードユースがたたって、剥離が始まった」とのことです。基本的にはゴア製品の化学的な安定度はとても高く、一般的にはゴア製品の寿命は長いと言われます。
防水と撥水は違う!
ちなみに、たかくらさんによると防水と撥水も違うもの。
「たまに『防水スプレーありますか? 防水スプレーを探しているんですが……』っていう相談をいただきます。言葉のあやを拾っているようで心苦しいんですけど、正確には水ハジキスプレーとか、撥水スプレーですね。防水性を高めるものっていうのはなくて、あるのは撥水スプレーです。まあ細かいですけどね。
防水と撥水は違うんですよ。撥水は水を弾くこと、防水は水が入ってこないことになります。
防水性能っていうのをあとから上げることっていうのはなかなか難しいんですけれども、撥水性能、水をはじく力に関してはメンテナンスすることができます。環境負荷は考えないといけないことなんですけれども、撥水スプレーを使うこともできます。当て布をした上でアイロンをかけるなどの熱処理が大変有効です。
(撥水性能は)速乾にも関わってきます。水を弾きやすいウェアと、水弾きにくいウェア、水がべっちゃりくっついちゃうウェアそれぞれを比べると、乾き方が全然違ったりするんですよ。
登山アウトドアでの極意というのは、身体を濡らさずに健康を維持するということになります。キープドライっていうやつですね。早く乾かすために、メンテナンスはしっかりしていきましょう。
皆さん山に行かれる前に、ぜひレインウェアの撥水チェックしていきましょうね。撥水性能が落ちているか落ちていないかで、活動の快適度はまったく変わってきます。覚えておきましょう」(たかくらさん)。
だからこそ、撥水メンテナンスが重要
そのため、「撥水メンテナンスは大変重要になります」とたかくらさん。「水をよく弾かないとどうなってしまうかというと、この表地に水の膜ができてしまうんですよね。雨が降ってきた時に水の膜ができてしまう。せっかくこの中間層は透湿(汗を通すような構造である膜)なのに、この表地に水の膜ができてしまうと透湿しなくなってしまう。で、結局自分の汗が内側で結露のような状態になってしまって、雨が染み込んできたと勘違いしてしまうことにつながるんですよ。
防水透湿というのはこの膜そのものが持っている性能になりまして、撥水というのは自分が関与できるメンテナンスなんですよね。
撥水の効果というのは上がったり下がったりします。防水透湿というのはもうナチュラルボーン性能、生まれつきの性能になります。ですので、水を弾くという性能に関して私たちがメンテナンスで関わることができるというところになります」(たかくらさん)。
■モンベル「ストームクルーザー」に関するその他気になるQ&A
モンベル「ストームクルーザー」に関連する補足情報を編集部でまとめました。Q.通販は? アウトレットはある?
モンベル公式HPから購入が可能です。そちらではアウトレットの取り扱いも。また、楽天やAmazonなど他店でも販売しています。サイズや色をきちんと確かめたうえで購入するのをおすすめします。
Q.シリーズの他製品はどんなものがある?
モンベル「ストームクルーザー」シリーズは男女ともに様々な商品があります。今回紹介した「ストームクルーザー ジャケットMen’s」のレディース版として「ストームクルーザー ジャケットWomen's」があり、カラー展開も違います。
フード着脱式がいいという方には「ストームクルーザー デタッチャブル」がおすすめ。
また、パンツとしては「ストームクルーザー パンツ」、フルジップで着脱簡単な「ストームクルーザー フルジップパンツ」が男性用・女性用ともに販売しています。
詳細はモンベル店舗・公式HPで確認してみて
■【まとめ】モンベル「ストームクルーザー」は“良いものが安い”から名品!
「名品中の名品。モンベルといえば、『ストームクルーザー』とか、『ムーンライトテント』、『ステラリッジテント』とか名前出てきますけども、やっぱりいいものはいいという感じでございます。The standard。定番中の定番。定番には理由があることを経験上感じております。
レインウェアは登山三種の神器のひとつと言われています。ウェアは試着が必須になると思いますので、一度羽織ってみて、自分に合うか合わないか確認してから入手するようにしましょう。
これからレインウェアを探していきたいと考えておられる方で、山しっかりやっていきたいなと考えておられる方、ぜひ「ストームクルーザー」、一度羽織ってみてください。候補のひとつにしてみてはいかがでしょうか。
今回はモンベルの代表的な山の名品、レインウェア『ストームクルーザー』について紹介しました」(たかくらさん)。
たかくらさんのYouTubeチャンネル「登山キャンプ ‖ たかくらや」は、山と旅、アウトドアのチャンネル。登山・ロングトレイル・キャンプ等に興味ある方は是非チャンネルをチェックしてみて。
DATA
モンベル┃ストームクルーザー ジャケット Men's
価格:2万2880円(税込)※執筆時、公式ストア価格参照
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