派手より上品に! 日本の伝統美が光る山田繊維の「花鳥梅花紋」数珠入れ
更新日:
買い替えることの少ない数珠入れ。ちゃんとしたものを持っておきたいという方に数珠入れに一家言ある竹本道子さんがオススメするのが、山田繊維の龍村織名物裂「錦」房カバー付念珠入(桐箱入) 花鳥梅花紋という数珠入れです。使い勝手の良さはもちろん、その文様の歴史にロマンも感じられるのだそうです。
イチオシスト:竹本 道子
『太陽にほえろ!』のスクラップブックをつくり友人と盛り上がったこども時代。夕方の再放送が見たくて一目散に帰宅した青春時代。撮影現場を垣間見た平成時代。尽きないドラマへの好奇心は令和もつづく。All About ドラマ ガイドを務める。
※記事内で紹介した商品を購入すると、売上の一部が当サイトに還元されることがあります。
愛用している数珠入れは30年くらい前から使っているもの。購入した当時は母があれこれ探しているのをよそ目に、どれも似たり寄ったりだから、どれでもいいのにと内心思っていました。ですが、今振り返ると数珠入れを買い替えたことはなく、おそらく今後買い替えることもないだろう数珠入れを、ちゃんと選んでおいて(正確には選んでもらって)よかったと思います。
やさしく繊細な品格ある花鳥梅花文錦の文様は、まさに日本の伝統美。引き出しから出すたびにデザインの歴史に思いが広がります。
奈良時代にも愛された文様「花鳥梅花文錦」
使い込んだ歳月を感じる数珠入れですが、その文様の歴史を知ると、改めて愛着が湧いてきます。袱紗やお雛様の着物でも目にする花鳥梅花文錦の文様は、東大寺の正倉(倉庫)だった正倉院に収められていたもので、奈良時代にも親しまれてきたことがわかります。古代にも、高度な染織技術があったことに驚きますし、その時代のデザインが今も日常に生きていると思うと、ロマンを感じます。
その正倉院裂(しょうそういんぎれ)をはじめ、古代裂(こだいぎれ)の復元研究に尽力し、芸術の粋に高めたのが、初代龍村平蔵。龍村美術織物という名前をご存知の方も多いことでしょう。その高度な技術は飛行機や新幹線の座席にも生きています。
花鳥梅花文様は、梅の花と鳥たちの姿が愛らしく落ち着いたデザイン。赤は少し派手かしらと思うものの、品のいい赤みで素敵だなと感じます。
数珠入れは、フォーマル用の黒い小さなバッグに入れるものなので、サイズも気になるところ。余分な金具がまったくなくコンパクトに仕舞える大きさに、作り手の心づかいを感じます。
日本の伝統美に触れることができる逸品
数珠入れについて、日頃あれこれ語ることは少ないですが、いざ買うときは人生の先輩に聞いたり、お店の人に相談したり、本やインターネットで調べたりして、気が付くと日本の染織品や伝統美に触れていることに気づきます。受け継いだものはいつか次の世代に継いでいく。そう思うと、きちんと勉強して知っておかなくてはと、背筋がスッと伸びてきます。
単色のものを見かけることが多い数珠入れですが、デザインや色合いは実にさまざま。自分らしさをさりげなく演出できる数珠入れを、ぜひ探してみてください。数珠入れのほかにも、袱紗や懐紙入れなど、日本の文様が美しく息づく小物は身近にたくさんあります。日本の文化に触れながら、長く愛用できる大切な逸品にめぐり合えそうですね。
DATA
山田繊維┃龍村織名物裂「錦」房カバー付念珠入(桐箱入) 花鳥梅花紋
※デザイン・色の詳細はHPよりご確認ください
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。