人生に悩む大人たちへ贈るドラマ『Forever ~人生の意味~』
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歳をとるといくつもの「選択」に迫られるもの。そして、過去の選択に対して葛藤することも少なくありません。介護福祉士の小山さんが、親の介護に関する選択につながるものがあるとして、海外ドラマ『Forever ~人生の意味~』を紹介してくれました。
イチオシスト:小山 朝子
介護福祉士の資格を持つ介護ジャーナリスト。全国の介護現場での取材経験と自らの10年近くの介護経験を踏まえ、各地で講演、執筆活動を展開している。
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人生は選択の連続です。介護福祉士ガイドである私のもとには「離職して親の介護に専念したほうがいいのか」といった質問が寄せられることがあります。親の介護は、人生で直面する大きな選択事項のひとつと言えるでしょう。
人生では十分に考えて選択をしても、例えば「無難なA案を選択してしまったけれど、B案というチャレンジをしておけばよかった」と後悔することも……。そして後悔した気持ちを抱えながら、日々の雑事に追われて生きている人も多いのではないでしょうか。
Amazonプライムで配信中の連続ドラマ『Forever ~人生の意味~』は中年夫婦を軸に、そうした大人が抱える日々の葛藤を描写しています。
夫婦の「選択」をテーマにしたストーリー
妻と夫は毎日同じように2人で食事をし、ジョークがある会話をし、湖の別荘で休暇を楽しんできました。そんなお決まりの「選択」に抗うことを試みる妻のジェーンは夫のオスカーにスキー旅行を提案。ところが慣れないスキー場で2人は口論に。この口論の最中も、妻は自分たちの「選択」がベストだったのか夫に投げかけます。子どもを産み、育てることを選ばなかった夫婦の「選択」についてです。ややネタバレになってしまいますが、このドラマが奇想天外なのは、主役の夫婦があっけなく「あの世」に逝ってしまうこと。ところが、「あの世」においても妻は平凡さに抗い、夫はそんな妻を肯定できずに夫婦はケンカをするのです。
ラストシーンはホロリとさせられ、後味もよい作品に仕上がっています。ちなみに、全8話のなかの第6話だけは、ジェーン・オスカー夫婦とは別のサラとアンドレという男女が登場。こちらでも、「選択」をしなかった2人の切ないラブストーリーが展開されます。
人生、どちらの「選択」をしても……
冒頭の「離職して介護に専念したほうがよいのか」という選択について話を戻しましょう。ある調査では、介護に専念することを選んだ人も、介護をしながら働き続けることを選んだ人も、自分の「選択」を肯定した人はいずれも約7割と大差がなかったという結果が出ています。大切なのは、過去の「選択」を受け入れることなのかもしれません。『Forever ~人生の意味~』には、多くの人と同じように過去の選択に対して思い悩む登場人物の様子が描かれています。自らの「選択」を受け入れようとして毎日を生きている大人たちにイチオシしたい作品です。
DATA
『Forever ~人生の意味~』
監督:アラン・ヤン、ジャニクザ・ブラボー、ミゲル・アルテタ
出演:マーヤ・ルドルフ、フレッド・アーミセン
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