日本古来の自然美「軒スダレ」で涼を感じる
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カーテン・ブラインドガイドの早乙女さんがインテリアデザイナーとして実際にお客様にオススメしているというのが、熟練の名工による「軒スダレ」。自然に生息する山葦を使い、ほぼ手作業のみで作り上げるという逸品は、マンションのベランダにも取り付け可能。日本古来の「和」を感じられるインテリアアイテムだそうです。
イチオシスト:早乙女 明子
窓まわりをはじめ、内装のプロデュースを得意とするガイドが、カーテンやブラインドの選び方からコーディネイトのコツ、注目の製品などをご紹介します。
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簾(スダレ)には、古き時代から受け継ぐ日本古来の風情があります。
質の良い材料で作られたスダレは、涼やかな空気感を演出してくれたり、穏やかな和の香りが漂って、時の流れをゆったりと変えてくれる不思議な力を持ち合わせているもの。
悠久の時を経たものであるからでしょうか、我々日本人の心に染み入る美しさを感じます。
今回ご紹介する「軒スダレ」は、ホームセンターなどで見かける消耗品的商品とはまったく異なり、伝統工芸士による手作りの逸品です。
熟練の名工による手作りだからこそ醸し出せる風情
私がこの「軒スダレ」と出会ったのは、今から10年ほど前。インテリアデザイナーとしてのお仕事の際「リビングから見える窓越しの景色と日差し」についてお客様からご相談をいただいたことがきっかけです。ちなみにスダレは東京都江東区のホームページによると
「簾(スダレ)製作の技術は、宮廷や神社仏閣で用いられる高級品としての御簾(みす)を製作する技術に発展する一方、実用品としての簾を製作する技術が根底にあって受け継がれ、江戸時代には江戸においても簾専門の職人が存在し、その技術が全国に広まっていった」
と記載されています。
見た目にも涼しげな軒先に下げるスダレはマンションのベランダにも取り付け可能
製作者である豊田勇氏によると「多少の色落ちはするが、通常10年は使える」とのことで、この豊田氏は昭和61年に江東区無形文化財、平成20年には東京マイスターに認定されています。
そんなマイスターが手作りで仕上げる、渡良瀬遊水地で自然に育った山葦(やまあし)だけを使った「軒すだれ」。自然に生息する山葦の、色目や太さを見極め、それぞれに適するよう束ね、織りあげる、これをほぼ手作業のみで作り上げています。
山葦で作るスダレは水をよく弾いて丈夫。多少の色落ちはするけれど、長く使用できることもオススメのポイントです。
インテリア商品としての存在感も素敵
マンションの高層階。高く上がる太陽からの直射はさえぎりたい、でも下界の景色は見えた方がうれしい、そんなお客様の窓越しに、この「軒スダレ」導入をご提案しました。室内にはレースのカーテンもドレープカーテンもありますけれど、「暑いからといってそれを締め切って外が見えなくなるのは嫌」というご要望を満たすためにお探しして出会った商品です。
実際手にしてみると、風情があり、下がっていることで日よけの機能のみならず、インテリア商品としての質の良さも感じることができましたので、それ以来多くの方々にオススメしています。
DATA
豊田スダレ店|軒スダレ
材質:山葦、竹
サイズ:(約)短:幅88×長さ54cm 長:幅88×長さ160cm
重さ:(約) 短:700g 長:1.4kg
生産国:日本
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