実は大人向け?アニメ「プリキュア」は大人が観ても学びが多い
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時代の変化とともに日本でも徐々に浸透している「多様性」という言葉。子育てに関するコラムを執筆している斎藤さん曰く、アニメ『HUG(はぐ)っと! プリキュア』には大人が学ぶべきことが多く描かれているんだとか!
イチオシスト:斎藤 貴美子
美容・健康、ファッションが得意なコピーライター/ディレクター。日本酒ソムリエ「唎酒師」の資格を取得。出産後、子育て系NPO団体等への取材から、育児問題を認識。ママ系サイトでコラムを執筆し、育児サバイバル術を発信。All About 子育て ガイド。
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今までの「当たり前」が通用しなくなってきたいまの時代
私たちが子どものころ「当たり前」だったことが急速に変化していると感じたことはありませんか? ランドセルの色が黒か赤かというジェンダー二極化の時代は終わり、教育観念は「躾だからといってゲンコツはNG」。私たちが親から受けて、無意識に受け継いだ考え方とは少し違うかもしれません。私たちから子どもたちへ受け継がれる考え方は、今の時代に合っているでしょうか?
そこでおすすめなのが、アニメ『HUGっと! プリキュア』です。単なる勧善懲悪のストーリーを超え、今の時代の空気感をキャッチアップしているので、必要なことを教わるのにぴったりだと思うのです。
子どもにとってのプリキュアになれていますか?
『HUGっと! プリキュア』は、2018年に15周年を迎えたプリキュアのシリーズで、テーマは「子育て」。家庭内における男女の役割の変化やいじめなど、子どもを取り巻く社会的な課題から、ブラック企業やその働き方などにも触れ、シリーズ開始当初から話題になっています。合言葉は「なんでもできる!」「なんでもなれる!」。2018年12月2日の回はシリーズ初、男の子がプリキュアに変身。性別を超えて誰もがプリキュアになれるというジェンダーイコール感覚を強く打ち出し、注目を浴びました。
プリキュアの敵は、絶望のあまり未来を消そうとする組織です。プリキュアの一人である主人公のはなは、世話をすることになった赤ちゃん、はぐたんが異空間に閉じ込められたとき、「(泣いている子どもの前に)壁があったら……壊すっ!」と空間ごと粉砕。力強い母親像を体現しています。
しかし、プリキュアは最終的には暴力ではなく、金色の女神のような母親像を繰り出し、力強い肯定感でもって怪物さえHUGします(怪物はメロメロに)。私はこのプリキュアたちの「母の愛による強さ」を前に……泣くのです(笑)。
私は果たして子どもにとって、存在を肯定し応援してくれるプリキュアに、そして無条件に抱きしめて愛を与える金色の女神像になれているのか……という自問がガンガン呼応するので、『HUGっと! プリキュア』はそんな母親たちへエールを送るアニメであるとも思えるのです。
大人が見ても楽しめるクオリティで、今の時代に合った「肯定して愛を与える」ことができているかを考えさせてくれるアニメ『HUGっと! プリキュア』。本シリーズは15周年を迎えたプリキュアシリーズの集大成とも言えます。子どもと一緒に見れば、我々大人も目が離せない時間になるかもしれません。
DATA
HUG(はぐ)っと! プリキュア
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