「美味しいカニは海にいる」は間違い? 川や田んぼにいるカニが実は美味だった

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どんな環境にもいるカニ 外骨格生物の中では最も進化した一群のひとつとされるカニ。硬い殻で全身を覆い、道具にも武器にもなるハサミ(鋏脚)を発達させたその体は、あらゆる環境に適応することを可能としました。 …
イチオシスト
美味しいカニは海のもの……と思いこんでいると、もしかすると本当に美味しいものを見逃してしまうかもしれません。
(アイキャッチ画像提供:茸本朗)


どんな環境にもいるカニ
外骨格生物の中では最も進化した一群のひとつとされるカニ。硬い殻で全身を覆い、道具にも武器にもなるハサミ(鋏脚)を発達させたその体は、あらゆる環境に適応することを可能としました。
ズワイガニ(提供:PhotoAC)
海とその周りにはたくさんのカニがいますが、カニといえば海の生き物…かというとそんなことは全くありません。我が国には純淡水生のサワガニのほか、海と川を行き来するモクズガニのような種類もあります。
また、水からすら離れて陸上に暮らす種類もあります。アカテガニやクロベンケイガニのようなカニは鰓呼吸ではありますが、僅かな水分を携えて陸に上がることができ、時に水辺から100m以上も離れたような場所でも見かけます。
海のカニより美味い川のカニ
カニといえば「美味しい食材」というイメージも強いですが、「美味しいカニ」といえばどれを連想されるでしょうか。きっと多くの人がズワイガニやワタリガニのような海のカニを想像されるかと思います。
しかし、特に山間部の地域では美味しいカニといえば「モクズガニ」一択というところも多いでしょう。海で生まれるモクズガニですが、生まれるとすぐに川を上り、最上流域まで到達して成熟するためその生涯の大部分を川で過ごす「川のカニ」です。
モクズガニ(提供:PhotoAC)
モクズガニは大きいカニとは言えませんが、身から出る出汁や味噌の濃厚さは天下一品であり、海のカニでも敵わないほどです。しばしば道路脇の側溝のような場所をうろついているのを見かけることもあり、知らない人からすればとても食べる気にならないかもしれませんが、一度食べるとその美味しさに驚かされるでしょう。
田んぼにいるカニが美味い!
色々なカニを食べてきた筆者ですが、それでも先日「こんなところにいるカニが美味いのか!!」と驚かされることがありました。その場所とは「田んぼの横のドブ」。
先日、東南アジアの国カンボジアに取材に行ったのですが、その際に田んぼ周りの用水路でたも網ハントを楽しんでいたところ、カニが入ったのです。
田んぼで採れたカニ(提供:茸本朗)
そのカニはサワガニを倍くらいの大きさにしたような見た目で、田んぼの泥にまみれとても美味しくなさそうでした。しかしこれをみた現地の人が「これは美味しいカニだ!」と指差して興奮し始めたのです。
なので持ち帰り、流水で洗って蒸してみたのですが、濃厚なカニの風味にスモーキーな燻製香のような香りが乗っており、泥臭みは全くなく大変美味でした。現地ではこのカニを潰してエキスを煮て「カニスープ」にして食べるのだそうです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
記事提供元:TSURINEWS
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