【常備しない理由ある?】ゴトク付き&くり返し使える「缶の固形燃料」、正直キャンプでも防災でも頼りになりすぎ
イチオシスト
五徳付きで調理にすぐ使えるだと!?

固形燃料といえば、この青いタイプを思い浮かべる人が多いのでは?
この定番の固形燃料でトップクラスのシェアを持つのがニチネンです。メスティン炊飯と相性がよく、旅館や飲食店の鍋料理でもよく使われているので、「見たことある!」という人がほとんどだと思います。
ニチネン「屋外用トップ丸缶」を買ってみた

写真左より【大】600g、【小】250gサイズ
そんなニチネンに屋外用の固形燃料が販売されていて、アウトドアだけでなく防災用として1つ準備しておくと良さそうだと思い購入してみました。【小】250gと【大】600gの2サイズ展開です。
コレただの燃料ではなく、簡易的な五徳付きで、くり返し使える固形燃料なんです。
屋外用トップ丸缶 250gニチネン
屋外用トップ丸缶 600gニチネン

普通の固形燃料とどう違うの?
燃料となる材質は同じ

主成分は青い固形燃料と同じメタノールで、色の違いはあるものの主成分としての違いはないようです。そのメタノールを石鹸と似たような作り方で固めているのだとか。
特に使用期限などの表記はありませんでしたが、底面に製造日と思われる日付は入っており、Amazon購入で2〜3ヶ月前に製造されたであろうものが届きました。
くり返し使える

「こんなに大きくて使い切れるの!?」と思った方もいるかもしれませんが、心配ご無用。冒頭で紹介した通り、一般的な青い固形燃料とは違いくり返し使用できるのが特徴。蓋を使って消化でき、保管できるんです。
燃焼時間は小サイズ(250g)150分・大サイズ(600g)110分。大サイズは火力が大きい分、燃焼時間は短くなっています。
簡易的な五徳付き

出典:Amazon
トップにはこちらのパーツが付属しています。

なんと十字に切れ目の入っているのが五徳! 4箇所の爪をラインに沿って折り曲げることで五徳に早変わり。手作業で行う必要はあるので、調整などは少し時間がかかります。
こんな見た目で実際に置いて大丈夫なの? と心配になりましたが、意外としっかりしていて多少の重さは全く問題ありませんでした。後ほど使用感をご紹介します。
2段階の火力調整もできる

もうひとつの丸いリング状のパーツは中蓋。この中蓋をセットする・しないで、2段階の火力調整が可能です。(形状は燃料のサイズにより多少異なります)
調整できるのは2段階だけですが、火力をコントロールできるのは大きなメリット。これにより、調理の幅や使い勝手が格段に向上します。
一体どうやって使うの?点火から消化までの流れ
本体の蓋を外す

まず五徳と火力調整用パーツを取って蓋を開けますが、これが少し硬め。指で開けるのは厳しいので、硬貨やペグ、鍵などを引っ掛けて開けると◎。
五徳の爪を曲げてセット

爪の部分は指で折り曲げていきますが、最初は少しコツがいるので、テーブルなどを使って曲げるときれいに整えやすいです。
エッジ処理は丁寧にされているため手を切る心配はほとんどありませんが、気になる方は手袋を着用して作業するとより安心です。

五徳をセットしたら、調理器具を実際に置いてみてぐらつきがないか点火前に確認しておきましょう。適当に曲げただけだと、爪先4点の角度が揃わず少し不安定。筆者は使用前に毎回1〜2回は、爪の角度を微調整しています。
ライターで点火

ライターやマッチなどを使って点火しますが、火口が遠めのライターの方が点火の際に火傷のリスクが少ないです。火がつくとすぐにボッっと燃え上がるので着火も簡単。
2回目以降は、表面を削ると点火しやすい

一度使用したトップに再度点火する場合、写真の様に表面が固まっていて着火しにくいので、除去してから点火するのがおすすめ。前回の燃焼時間が短ければそのまま着火できる場合もありますが、基本的には表面を除去してから。
必要に応じて火力調整

必要に応じて火力調整をしましょう。中蓋なし→強火、中蓋あり→弱火の2段階なのですが、一つ注意点が! 中蓋は五徳の下に設置しないといけないので、着火後に調理器具を置いてから中蓋をセットするのは大変。
五徳を取るために火ばさみや耐熱手袋が必要になってくるので、そのあたりも考慮しておきましょう。
消化時は蓋を裏向きにして被せる

消化する際は、五徳を外してから蓋を裏向きにして覆うように被せて消化します。蓋をいきなりはめてしまうと、内部の温度変化で蓋が弾けてしまう可能性があるので、裏向きで消化します。
冷めたらしっかり蓋をして保管

消化直後はかなり熱くなっているので、触れないように注意しましょう。冷めるまではしばらく放置しておき、冷めたら蓋をしっかり閉めて冷暗所で保管しておきます。
「前回の使用から長期間使用しなかった場合などは、うまく使用できない場合があります」と注意事項にも記載がありますので、開封後は早めに使用するのが良さそうです。
実際にあれこれ使ってみた
500mlの水を沸騰実験

実際に両方のサイズを使って500mlの水を沸かしてみました。気温は約10℃、標高はおよそ1000mのキャンプ場という少し肌寒い環境。
果たしてこの条件でどんな結果になるのか、期待しつつチェックしてみます。

寒さが影響して沸かない可能性もあるかと思いましたが、【小サイズ:約15分】【大サイズ:約13分】で無事に沸騰しました。気温約10℃でもしっかり沸騰させるパワーは、なかなか心強いです。

別のタイミングで気温30度に迫る汗ばむ日に小サイズで500mlの水を沸かしてみました。ケトルもアルミ製と違いましたが、結果的に約10分で沸騰!
環境や条件が違うだけで大きく異なる結果となりました。
大きな調理器具には別の五徳があると◎

大きな調理器具を使う場合、付属の五徳では安定感にかけるので別で五徳を用意するのがおすすめ。
しっかり安定して安心して調理できるようになりますし、付属の五徳を外しておけるので、中蓋の着脱もしやすくなり火力調整もグッとラクになりました。

ダイソーで販売している「折り畳み五徳(税込550円)」が大サイズの固形燃料と相性が良かったのでおすすめ!
小サイズでも使えますが、本体が小さいぶん熱源との距離が少し離れがち。鍋敷きなどで底上げしてあげると、より使いやすくなると思います。
ダイソー「折り畳み五徳」はこちら
調理に使うなら、火力調整不要なものがおすすめ

火力調整がなかなか難しいので、基本的には“お湯を沸かすだけ”が失敗もないのでおすすめ。防災用であれば、パックごはんを温めるのに使ったりすれば焦げ付く心配もありません。
もちろん焼いたり煮込んだりもできますが、何より火力が思い通りにいかないのでバーナーパットを併用したり少し工夫すると失敗を減らせます。
嬉しい発見!シンデレラフィットしやすいぞ
小はOD缶と近しいサイズ

(トップ小サイズ)直径10.2×高さ6.5cm、(スノーピークOD缶250)直径10.7×高さ9cm
トップの小サイズが「何かに似てる大きさだな〜」と思っていたところ、同じく250サイズのOD缶と大きさが近いことが判明! OD缶よりほんの少し小さいくらいのサイズ感なので、キャンプ用品との相性は抜群です。

250サイズのOD缶が入るクッカーに収納することができるので、ソロキャンプのバーナー代わりとして使うのもアリ。この持ち運び方法だと、携行するときに荷物を圧迫しないのも良い!
ただしこの場合、トップの缶外側に燃料が付着していないか確認してくださいね。燃料の主成分のメタノールは口に入ると有害です。心配な方は、トップをビニールに入れてから収納したり、クッカーを一度洗ってから使いましょう。
気になる点は?
燃料が減ると火力が不安定に…

長時間使っていると燃える範囲が少なくなってきて、火力が弱くなることがありました。残量が少なくなってくると熱源自体が遠くなるので、その点も注意が必要です。
最後まで使い切るのは難しいので、残りが少なくなったら調理ではなく、ちょっとしたロウソク代わり、着火剤として活用するのもいいでしょう。最後までムダなく使えます。
風には弱め

やはり固形燃料ということもあって、風には弱め。五徳の形状から多少は風防の役割も果たしてくれていますが、それなりに風が吹いてくると流されてしまうので要注意。
風防を持ち合わせていなかったので、コンパクトテーブルを風防代わりにしましたが、キャンプで使用する際は風の対策もしておくといいかと!
防災用にも1つ持っておくと安心!

キャンプ用としても十分使用できる便利さなので、防災用に1つ持っておくと安心!
大サイズは五徳がしっかりしていて調理器具を置いたときの安定感が抜群なので、防災目的なら筆者は大サイズ推し。
ソロキャンプで使いやすかったり保管の際に邪魔にならないのは小サイズなので、ご自身の環境に合わせてサイズを選んでみてください。常備しておいて正解なアイテムでした!
屋外用トップ丸缶 250gニチネン
屋外用トップ丸缶 600gニチネン

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記事提供元:CAMP HACK
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