渋野日向子は予選落ち確実に涙 シード獲得ならず「すべてを台無しにするラウンド」
イチオシスト
<アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン 2日目◇14日◇ペリカンGC(フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
大粒の涙とともに、渋野日向子はホールアウトした。1バーディ・4ボギー・1ダブルボギーの「75」で回り、トータル6オーバーで自身今季最終戦での予選落ちが確実な状況となった。
予選通過圏内の1オーバーからスタート。ガードバンカーから出したが傾斜で戻ってきてしまった2番のダブルボギー、3番、4番での寄らず入らずのボギーと、立て続けに落とした。「(バンカーは)“左でいいですよね”と言ったものの、結果を気にして緩んでしまった。バンカーだけじゃなく、ショットにも出ていた」。頭の中には常に、100位という文字が浮かんでいた。
今大会終了後のポイントランキング81~100位には、来季の出場「カテゴリー11」が与えられる。101~125位は「カテゴリー16」に相当するため、その順位で終わればより高い出場優先順位を得るために、来月のQシリーズ(米最終予選会、12月4~8日/アラバマ州)に出場する必要がある。104位で今大会を迎えた渋野が逆転で滑り込むためには、予選通過、さらには単独37位以上で終えることが最低条件だった。
今季は23試合に出場し、予選落ちは13回。トップ10入りは7位で終えた「全米女子オープン」だけ。2022年から始まった米ツアーキャリアでワーストとなった。
「一番ひどい1年。練習ではいい感覚でも試合になると力んだり、きょうのゴルフが1年を象徴している感じ。結局、予選落ちとかのことばっかり考えていたから、結果、上を見れていない。口だけ言って、自分の頭のなかや心のなかは、そこの戦いと思ってしまっていた」
出場権を得られなかった秋のアジアシリーズの時期には、推薦で日本ツアーに出場した。試行錯誤をして調整を怠らず、これまで感覚的だったグリーン上は、パッティングコーチの門を叩いて「科学的に」データ解析。使用するパターもルーティンも、ガラリと替えた。
「もうちょっとできるんじゃないかと自分でも思っていたし、こんなにひどいとは思わなかった。最後もこんな結果になりたくないから、いろいろ準備をしてきた。本当にすべてを台無しにする最後のラウンドだった。よく言えば、良くなる要素がたくさんあると、いまは思うしかない」
結果を受け入れつつ、切り替えるしかない。すでにエントリーを済ませているQシリーズまで2週間。ツアーカードを得た21年は2コースを使う8日間144ホール競技だったが、いまは5日間90ホールに変わった。
「前に受けた時よりは短期決戦になる。一日も落とせないし、きょうみたいなゴルフはできない。本当に攻めていくしかない。そういうゴルフができるように頑張りたいです」。そして「強くなりたい」と、最後まで涙をぬぐい続けた。(文・笠井あかり)
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