「自分が戦っている場所は“ここ”」 渋野日向子は予選会回避へラストマッチ
イチオシスト
<アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン 事前情報◇11日◇ペリカンGC(フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
Qシリーズ(米最終予選会)を回避できるポイントランキングトップ100入りまであと17.081pt。ランク104位(191.717pt)で今大会に臨む渋野日向子は笑顔を見せながら、穏やかな表情で開幕を待っている。「上しか見ていない感じはある。日本でいいインスピレーションをもらったのですごく前向きです」。いまの状況を受け入れながら、ポジティブな気持ちを携えてフロリダに入った。
予選落ちのないエリートフィールドである、秋のアジアシリーズには出場できず。主戦場を1カ月離れている間、推薦で日本ツアー4試合を連戦した。初戦の「スタンレーレディスホンダ」では予選落ちに終わるも、翌週は「感覚でやっていた」というパッティングをパタースタジオで「科学的に」見直すなど、自らに変化を求めた。
そして「富士通レディース」40位、「マスターズGCレディース」47位を経て、4連戦の最後「樋口久子 三菱電機レディス」では13位。いい手応えは確実に増えた。試行錯誤をしていたものの方向性がしっかりと定まり、それが結果にもつながった。
「自分が向く方向をしっかりしなきゃと思って試している。パッティングもショットも、ちょっとずつ良くなってきているんじゃないかな~みたいなのはある。(日本では)スタッツも目に見えて良くなっていたし、スコアが出なくても続けていったらよくなりそう、っていう感覚はある。続けていきたい。そういう感じでアニカに入れてよかったです」
17.081pt差を逆転するには、18ptを獲得できる単独37位が最低条件。それがかなわなかった場合、2021年以来の予選会出場も覚悟している。「自分が戦っている場所は“ここ”だから、こっちで結果を残さんと。日本の試合もすごく大事で丁寧に戦ったけれど、“ここ”で戦わないといけない。この試合でどうなろうが最終予選会も行くし、その結果次第になるかも分からないけれど」。ただひたむきに、“米5年目”のシーズンを目指している。
先週のうちに渡米。フロリダらしからぬ寒さに見舞われながら、コースはグリーン周りを入念に確認した。フェアウェイが広々としている一方、グリーンはきついアンジュレーションが特徴。パー70ながらもスコアが出るコースでもある。「狙っていくところは狙っていくけれど、ショットもパットもメリハリが大事かな」。これまで2度出場し、61位タイ(23年)と34位タイ(24年)。これまで以上の結果が求められる。
予選ラウンドはトランプ米大統領の孫娘で、ツアーデビュー戦のカイ・トランプ(米国)と同組になった。「まさかのまさか。ビックリしました」という組み合わせに、ロープ外に集まるギャラリーはきっと多くなる。「(ランキングとか)考えることはいっぱいあるけれど、自分のやるべきことに全集中でできたら」。覚悟をもって、初日のティイングエリアに立つ。(文・笠井あかり)
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