自分が死後AI化されることに賛成?反対? 「AI故人」について1000人に聞きました
イチオシスト
亡くなった故人の生前のデータを基に、AIが故人の姿や声を、話し方や思考パターンまで含めて再現できる技術が「AI故人」。生成AIの普及に伴い、「AI故人」への関心が高まっている一方で、倫理や同意の設計、本人性の担保といった論点も浮かび上がっている。
そこで、生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供するネオマーケティング(東京)は、「AI故人」をテーマにインターネットリサーチを実施(2025年9月28日〜29日)した。対象は全国の20歳以上の男女1000人。
はじめに、「故人をAIで再現すること(=AI故人)」を知っているか尋ねると、「詳しく知っている」は全体で11.7%。「名前は聞いたことがある」は42.8%で、「知らない」が45.5%だった。「詳しく知っている」割合は60代4.5%→20代23.0%と年代が若いほど上がり、認知度には大きな年代差が見られた。
AI故人への受け止めは「どちらともいえない」が最多で約50%。賛成は20%強、反対は30%弱にとどまった。年代差は明確で、20代の賛成(どちらかといえば賛成を含む)が計33.0%に対し60代は9.0%と、若いほど受容的。性別では男性の賛成が23.0%で女性(18.8%)を上回っている。
AI故人に賛成と答えた人に、AI故人を許容できる理由を聞くと、最多は「故人との再会を望む気持ちがある」(57.4%)、次いで「生前の記憶を形に残せる」(41.6%)、「未練や後悔を癒やす手段になる」(39.7%)、「家族の精神的支えになる」(39.2%)など情緒的な癒やしを求める人が多い。また、「テクノロジーの進化として受け入れられる」(34.9%)や「故人の知識・思考を後世に残せる」(32.1%)といった“合理面”も一定の支持があった。
一方、反対と答えた人にAI故人を許容できない理由を聞くと、「故人の尊厳を損なうと感じる」(42.0%)と「違和感がぬぐえない」(41.3%)がほぼ同水準で並び、実体感・情緒面での抵抗感があるようだ。20~30代は「故人の意思を確認できないため不適切」「遺族間で意見が分かれそう」など、手続き・合意に関する懸念も目立った。
自身が死後、AI化されることについてどう思うかを聞くと、最多は「どちらともいえない」(39.9%)で判断保留する人が多い。(どちらかといえば反対を含む)反対派は44.7%で、(どちらかといえばを含む)賛成派は15.4%にとどまった。AI故人に対しての賛成派が20%強だったのに対し、「自分ごと」になると支持が収縮する形になった。
AI故人について自由にコメントしてもらうと次のような意見が挙がった。
・「個人の問題だと思うから第三者がとやかく言わなくていい」(女性、62歳)
・「遺された家族の支えになるならいいと思う」(女性、38歳)
・「本人には決してなれないため、不適切な発言をして相手を傷つけることがないか、心配」(女性、35歳)
・「姿形はそっくりでも内面的な部分までは表現できないと思うから、有名人など商業的に使用する場合のみ許容したい」(女性、57歳)
・「有名人などを利用した場合は侮辱しているように思えるので、親族など身近な人のみにしてほしい」(男性、49歳)
さて、あなたはAI故人のサービス、利用したいですか?
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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