「少しずつ自信が」 西村優菜は国内2年ぶりトップ10で米国予選会へ弾み
イチオシスト
<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇2日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6690ヤード・パー72>
米国を主戦場とする西村優菜は、国内3連戦をいい形で締めくくった。首位と6打差の16位タイから出ると、5バーディ・1ボギーの「68」をマーク。トータル9アンダー・10位タイで、国内では2023年の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」以来のトップ10入りを果たした。
2020年に今大会でツアー初優勝を遂げた際も、最終日に6打差を逆転。この日も6打差からのスタートで、前半に4つスコアを伸ばして一時は2位タイまで浮上し、当時を彷彿(ほうふつ)とさせるプレーを見せた。
「エンジンをかけていきたかったんですけど、後半はピンも難しかったですし、なかなかチャンスにつかなくて我慢のゴルフになってしまった」と振り返る。それでもボギーは1つに抑え、最終18番パー5をバーディ締めで存在感を示した。
初日から3日続けてアンダーパーをマークし、この2日間は60台を並べた。「この土日はいいゴルフができたと思います。ショットでも大きなミスがなかったので、予選会(米ツアーの最終予選会)を考えると大事なラウンドでした」と確かな手応えをつかんだ。
今季主戦場とする米国では、20試合中13試合で予選落ちと苦しい戦いが続き、ポイントランキング127位。ただ、帰国前のハワイでの「ロッテ選手権」は今季ベストの23位タイと復調のきっかけをつかんでいた。
国内3連戦は予選落ち、36位、10位と右肩上がり。「1試合目でたくさん修正点が見つかった。今週のテーマはスコアを出すこと。それができたので、3週間を通して収穫はたくさんありました。少しずつですけど、自信を持てるようになってきた。いい3週間でした」と振り返る。
好調の要因に「修正力」を挙げる。「2試合目の週末はパッティングがどうしようかなっていうぐらい悪かったんですけど、今週はいい感じで打てていました。何かを感じて次につなげる作業が大事だと思うので、それがだいぶできるようになってきたのは良かった」と笑顔を見せた。
「すごく難しくて苦しい一年。中盤は本当に顔を上げられないぐらいだった」とシーズンを振り返るが、チームの支えもあって復調の兆しを見せている。上位選手のエントリー状況次第だが、「アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン」(11月13~16日、米国・フロリダ州)が今季の自身最終戦となる見込み。
久しぶりの日本での連戦には「最高です」と白い歯を見せた。「ごはんはもちろんおいしいし、ゴルフで言えば、きのうはインコースのトップスタートだったけど、本当にたくさんのギャラリーの方がついてくださった。うれしくて涙が出そうでした」と多くの声援に感謝した。
「Qスクール(米国の予選会)に向けて、すごくいい形で調整できていると思います」。国内3連戦でつかんだ自信を次戦以降にぶつける。国内3連戦で得た自信を胸に、米国で再び“優菜スマイル”を咲かせる。(文・小高拓)
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