弾丸ロングスローからの2発と鮮やかな直接FKで広島が頂点に!セットプレーで3ゴールを奪って柏を下す【2025 JリーグYBCルヴァンカップ決勝レポート】
イチオシスト
サンフレッチェ広島が優勝 (C)Jリーグ黄色と紫に美しく染まった東京・国立競技場。柏レイソルとサンフレッチェ広島による2025 JリーグYBCルヴァンカップ決勝は62,466人の大観衆に見守られ、見応え十分の90分間が繰り広げられた。
ポゼッションスタイルの柏とハイインテンシティを掲げる広島の激突となったファイナル、試合序盤は広島が主導権を握った。柏のボール回しに対して積極的に奪いに行く守備と引いて構えるブロックのメリハリを明確にさせ、局面が攻撃に移れば奪ったボールをシンプルに前線につないでゴールへと迫っていった。
柏が徐々にボールを握って動かすようになってきたが、その矢先の25分にスコアが動く。右サイドでスローインを得た広島は、右ウイングバックの中野就斗がロングスローを入れる。ここで矢のような弾道のスローに合わせたのは、センターバックの荒木隼人。「今日は中野の肩が調子良かった」と振り返る荒木が、打点の高いヘディングで叩きつけてゴールネットを揺らした。
(C)Jリーグこの先制点でゲーム運びに余裕が出た広島が、ここから落ち着いてゲームを進めていくことになる。中盤で田中聡が何度もボールを引っかけ、その後ろに構える3バックも集中力を切らさずに柏のパスワークに対応。パスサッカーでリーグ戦を席巻する柏に対して反撃を許さなかった。
試合巧者ぶりを披露していく広島が38分に追加点を奪う。ゴール前で得た直接FKのチャンスを、左ウイングバックの東峻希が得意の左足で沈める。黄色い壁の上を越えたボールはGKの手を弾きながらゴールに吸い込まれた。
(C)Jリーグさらに前半アディショナルタイムに入った45+2分には3点目。またも右サイドから中野が鋭いロングスローを供給し、ニアで佐々木翔が頭でつないだボールをファーサイドのジャーメイン良が難しいバウンドを左足で巧みに蹴り込んだ。
まさかの3点のビハインドを背負った柏は、ハーフタイムを挟んで後半開始から3枚替えを敢行。最前線に日本代表FW細谷真大、シャドーの位置に仲間隼斗、ボランチに小西雄大を入れて反撃を期した。
実際、この交代が功を奏して柏が押し気味に進める展開になる。スコアが開いたこともあって広島の重心が重めになり、前半と比べてバイタルエリアにボールが入る回数が明らかに増加。中央で細谷真大や仲間隼斗がボールを受け、打開にかかるシーンが少しずつ見られるようになっていった。
しかし、それでも広島の守備は堅く、簡単には崩れない。柏としては決定機と呼べるシーンをなかなか作り出せず、気が付けば時計の針は75分を回っていた。
少しずつ広島の選手たちにも疲れの色が見えてきた中、81分にようやく柏が1点を返すことに成功する。中央でボールを受けた小屋松知哉がタイミングよくスルーパス。これに抜け出した細谷真大が並走する荒木にうまく体を預けながら左足でゴールに流し込んだ。
(C)Jリーグその後は攻勢にかかる柏は自分たちのスタイルを貫きながら、2点目を狙っていく。5分と表示された後半アディショナルタイムにも諦めることなく果敢にゴールを目指すが、スコアは動くことなくタイムアップを告げるホイッスル。セットプレー3発で大量リードを奪った広島が、2022年以来3大会ぶりとなるルヴァンカップのタイトルを獲得。MVPには先制ゴールを決めて守備面でも貢献した広島DF荒木が選出された。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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