新規大会でバーディ合戦勃発 ツアー最少タイのカットライン、その理由は?
<明治安田レディスゴルフトーナメント 2日目◇19日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>
2日間の予選ラウンドが終わり、55位タイまでに入った64人が、あすの決勝ラウンドに進んだ。カットラインはトータル4アンダーで、1988年のツアー制度施行後では『予選カットスコア最少タイ記録』となった。
これまでに最少スコア記録は、2014年「サマンサタバサレディース」、2023・24年「大東建託・いい部屋ネットレディス」、24年「パナソニックオープン」の3大会(4例)で、今回が4大会目になった。アンダーパーは初日が86人。2日目終了時点ではそれが99人に増えた。
新規大会はまれにみるバーディ合戦になったが、その要因はどこにあるのか?
まず天候は2日間とも快晴で、初日が『0.5m/s』、2日目が『0.4m/s』と微風の範囲におさまったのも大きい。さらに、グリーンコンディションも理由になりそうだ。
スピードを表すスティンプメーターは、第1R、第2Rともに『8 3/4』で、硬度を表すファームネスメーターは『285』『284』となっている。今季ここまでの国内女子ツアーでスティンプメーターが一桁の大会は初で、つまり“最遅”。数字が小さいほど硬くなるファームネスメーターの平均を見ても、『294.5』を記録した「資生堂・JALレディス」に次ぐ『284.5』と、屈指の軟らかさというのが分かる。
首位と1打差のトータル11アンダー・3位タイにつけた脇元華は、「他の選手も伸ばしているし、グリーンが軟らかいので、常にピンをデッドに狙っている」と証言する。トータル8アンダー・16位タイで最終日に入る河本結も、「ここまでガンガン、ピンを攻めるゴルフは最近やってなかったし、新鮮。なかなか普段はできない部分なので、それを楽しみながらやりたい」と話していた。
総距離も6642ヤードと長くなく、4つあるパー5は、1番が548ヤード、7番は502ヤード、14番は537ヤード、16番は481ヤードと、2オンが狙えるホールも点在。2日間トータルの難易度では1番が14位、7番が17位、14番が12位、16番が18位と、いずれもチャンスホールになっている。パー5でのイーグルも2日間で4つ生まれている。逆に言うと、この4ホールで取りこぼしは禁物。優勝争いのカギを握りそうだ。
そういった点に加え、脇元と同じく3位タイで今季2勝目を狙う永峰咲希は、「きょうのピンポジションは特に、ピンサイドに打っちゃった方が、外れたとしても次が簡単な場所が多かった。それで割り切ってより打っていけたかな」という要素も挙げた。こういったことから、バーディを狙う選手の姿が印象的な大会になっている。
2日目を終え、首位はトータル12アンダーの佐藤心結と、仲村果乃。1打差に脇元と永峰が続き、2打差の5位タイにも仲宗根澄香、阿部未悠、小林光希、入谷響、都玲華の5人が並ぶ。ベストスコアは初日が佐藤と荒木優奈の「63」で、2日目が永峰の「64」とあって、誰がビッグスコアを出してもおかしくない展開。上記の選手以外にもチャンスは十分ある。
最終日もバーディ合戦になるのか、それとも…。クマ出没で短縮競技になった異例の新規大会。誰が初代女王に輝くのか?(文・間宮輝憲)
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