3人合わせて17バーディ 小林光希は“パーティラウンド”で無観客対策「みんなで団結しました」
<明治安田レディスゴルフトーナメント 2日目◇19日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>
開幕前にクマが出没した影響で無観客となったコースに、大きな拍手と歓声が響く。「組の雰囲気が良かったですね」。小林光希はボギーなしで「66」と伸ばした一日の要因を、こう笑顔で振り返った。
小林と予選ラウンド2日間を回ったのは木戸愛と山内日菜子。3人には、実はこんな“決めごと”があった。「『静かなので、自分たちで盛り上げていこう』って」。誰かがバーディを奪えば、「ナイスバーディ!」のかけ声と大きな拍手。ギャラリーがいない空間であることを忘れるような2日目の“パーティラウンド”は、小林が6つ伸ばしただけでなく、山内も「67」、木戸も「68」と全員がノリノリだった。
それは、「あしたもみんなで回りたい」というほど。「ここまでやったのは初めてで楽しかった。みんなで団結していました」。チーム戦のように、お互いを称え、相乗効果。気づけばホールアウト時点で3位まで浮上と、初優勝も狙えそうな位置についた。
先週の「ミネベアミツミレディス」は、3日目に体調を崩して棄権した。病院に行くと、『急性胃腸炎』と診断。発熱や吐き気がおさまらず、そこから3日間の断食を強いられた。「こんなに食べなかったのは初めて」と、茶目っ気いっぱいに話すが、それも徐々に回復。そのため、クマ出没の影響で大会が中止された17日は「休みで良かった。ゆっくりできてラッキーでした」と、いい水入りになった。「今はいい感じです」。サムズアップも飛び出すほどで、それがゴルフの好調ぶりにもつながってくる。
初のシード選手として迎える今季も、「ヤマハレディースオープン葛城」3位など、トップ10に4度入っている。メルセデス・ランキングも18位で安定感はバツグン。いつ初優勝が訪れてもおかしくないが、それを支えているひとつの要因が「好きなクラブ」というパターにある。
今季のパーオンホールの平均パット数は『1.7830』で8位。1ラウンドあたりをみても『29.2157』で16位につけている。昨年はそれぞれ『1.8123』の41位、『29.9590』で62位。この上昇の背景には、「今年からルーティンとして始めた」という取り組みがある。
パター練習用の1.5メートルほどのレールを使用し、毎朝、ホテルの自室でその上から落ちないようにボールを転がすのが日課。きっかけを聞かれると、「みんなが使っているから」と笑うが、「感覚はいいけど、そのレールの左にやたらボールが落ちる日は、試合でもダメでした」と、状態を測るバロメーターになっている。ちなみに、練習グリーンでは傾斜があるため使用せず、あくまでも自室用の練習器具だ。
2022年のプロテストに合格し、ルーキーイヤーの23年には下部のステップ・アップ・ツアーで1勝を挙げている。そろそろレギュラーツアーでの優勝が欲しいところだ。逆転優勝へと自らを盛り上げ、クラッチパットを決めていきたい。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。